2024年に新登録された世界遺産、知ってる? 今行きたい「日本の世界遺産」全26カ所一覧
◆絹の歴史を後世に語り継ぐ「富岡製糸場と絹産業遺産群」【群馬】
明治時代、日本の輸出品の要となった生糸。近代的工場として初めて造られた富岡製糸場で生まれた高品質の生糸は絹として世界中に輸出され、その後に生み出された技術も世界中に広がり、絹の産業を支えてきました。 そんな絹の歴史を後世に伝えようという動きから、中心となった富岡製糸場と絹産業に関わる3つの史跡が「富岡製糸場と絹産業遺産群」として2014年に世界文化遺産として登録されました。 明治以降の近代産業遺産としては国内初の登録。115年の操業停止後も大事に保存されてきた富岡製糸場の美しい赤レンガの建物が印象に残ります。
◆誰もが知っている日本一の山、富士山【静岡・山梨】
静岡県と山梨県にまたがる標高3776メートルの日本一の山、富士山。 日本人なら誰もが知っている富士山。その美しい風景と周辺を取り巻く寺社の歴史が世界遺産に値するとの評価を受け、2013年に文化遺産「富士山 -信仰の対象と芸術の源泉」として登録されました。 富士山域はもちろんのこと、富士五湖や富士山本宮浅間大社、忍野八海、白糸の滝、三保の松原などの名所が世界遺産を構成する資産に含まれています。
◆懐かしさを感じる合掌造りの風景、白川郷と五箇山【岐阜・富山】
中部・北陸地方で初めて世界遺産に登録されたのは「白川郷・五箇山の合掌造り集落」。 日本の農村の原風景とも言える茅葺き屋根の合掌造りの民家が五箇山(富山県)の相倉、菅沼地区と白川郷(岐阜県)の荻町(おぎまち)地区にまとまって残っています。 一部の合掌造りの民家は、有料で内部を見られますし、白川郷では荻町城址の高台より、合掌集落が点在する風景を見下ろせますよ。
◆日本最大の金山の遺構が今も残る佐渡【新潟】
日本海で一番大きな島、佐渡。この島では古くは平安時代に砂金の採取から始まり、江戸時代から平成まで実に388年の長期にわたって金を生産し続けた金山がありました。 佐渡の金が世界中に流通していたこと、金山の遺構が坑道も含めて現在も残るなど鉱山を中心とした人々の営みの痕跡の数々が未来に継承すべき場所として評価されたことから、2024年に「佐渡島(さど)の金山」として世界文化遺産に登録されました。 構成遺産の一つである相川金銀山では、金山の坑道を有料で見学でき、江戸時代と明治以降の採掘方法の違いなどを知ることができます。構成遺産からは外れましたが、奉行所など鉱山に関連した施設跡も多く、金が採掘されていた頃のにぎわいに思いを馳せられます。