パリから2年後のW杯に。攻守の要だった3人はどう育った? 「1ミリ」細谷真大、国防レオブライアン、三戸ちゃん、それぞれの少年時代
パリ五輪で23歳以下の男子サッカー日本代表は、1次リーグを3連勝で首位突破したものの、優勝したスペインに準々決勝で敗れ幕を閉じた。だが、もう次のステージに向けた挑戦は始まっている。 【写真】悔しさは「W杯で晴らす」 細谷らサッカー男子帰国
2年後の2026年には米国とカナダ、メキシコの北中米3カ国が共催するワールドカップ(W杯)が開催される。 五輪で活躍し、今後の活躍が期待される選手をピックアップした。彼らがどんな道をたどってサッカー選手になったのか。それを知れば、これからのサッカー観戦が楽しくなるかも。(共同通信=河村紀子) ▽「1ミリ」で話題に まず注目したいのは、フォワード(FW)の細谷真大(22)。パリ五輪で1次リーグのイスラエル戦でチームを勝利に導くゴールを決めた。それよりも話題になったのは準々決勝のスペイン戦での「幻のゴール」。相手を背負いながら、振り向きざまに放ったシュートはゴールネットを揺らした。 鮮やかなシュートに、目の肥えたスペインメディアも記者席でぼうぜんとしていた。しかし、判定はオフサイド。味方が細谷にパスを出した瞬間、右足のかかと付近がわずかに出ていた。SNS上では、22年カタールW杯の三笘薫(27)がライン際で見せたプレーになぞらえ、「細谷の1ミリ」と話題になった。 ▽いきなり自転車乗りこなす
そんな細谷は茨城県牛久市出身。父武光さん(50)が地元の「神谷サッカースポーツ少年団」でコーチをしていたこともあり、自然とボールに触れ始めた。小1になると、地元の少年団、Jリーグ柏レイソルの提携クラブの2チームで練習を重ねた。 幼少期から身体能力は高かった。小学校入学前に補助輪なしの自転車を練習せず乗りこなした。小6の時には市内の大会に出場し、100メートル走の記録を塗り替えた。 少年団では上級生の試合に出場し、自分よりも体格の良い相手を吹っ飛ばした。武光さんは「当時から体が強く、倒れなかった」と振り返る。当たり負けしない今のプレースタイルに繋がる。 練習のない日は武光さんや兄弟とボールを蹴り、細かい技術を磨いた。細谷は「父のおかげで、ここまで来られた」と感謝を口にする。 ▽舞台、大きければ大きいほど 五輪代表チームでは決勝点など大事な場面での活躍が目立った。武光さんは「昔から胃がきりきりするような状況の方が強い。舞台が大きくなればなるほど結果を出してきた。プレッシャーを力に変えられるんじゃないかな」と笑う。