パリから2年後のW杯に。攻守の要だった3人はどう育った? 「1ミリ」細谷真大、国防レオブライアン、三戸ちゃん、それぞれの少年時代
小学生の頃から将来の夢に「日本代表」と書いてきた。スペイン戦後「フル代表でしか(悔しさは)晴らせない」と語った。さらに上のステージでの活躍を誓う。 ▽小学校時代は「二刀流」 次に紹介したいのは、守護神の小久保玲央ブライアン(23)。パリ五輪の1次リーグでは、相手のシュートをことごとくセーブした。1次リーグの3試合は無失点。SNSでは守りの堅さから「国防レオブライアン」とも呼ばれた。 もともとはFWの選手。身体能力の高さや才能を見込まれ、小6の時はゴールキーパー(GK)との「二刀流」でプレー。中学生でGKに本格的に転向し、「大岩ジャパン」の正守護神にまで上り詰めた。 「細かったが、ずばぬけて背が高かった」。小久保が小1から6年間所属した柏エフォートFC(千葉県柏市)代表の小鷹康人さん(60)は当時の印象をそう語る。FWとしての小久保はどんな選手だったのか。 ▽PK戦で好セーブも
「まさに弾丸。跳躍力、瞬発力は2学年上と同じくらいだった」。手足が長く、反射神経も良かったという。小4の頃からPK戦のGKを務めると、試合を決めるセービングを見せた。Jリーグ柏レイソルの下部組織の目に留まり、レイソルのスクールでGKの技術を学ぶようになった。 当時の性格は「ただのやんちゃ坊主」(小鷹さん)で手を焼いたが、天性の明るさがあった。ある日、すね当てやストッキングなどを用意せず、短い丈の靴下で練習に来た小久保に、小鷹さんが雷を落とした。「帰ってくれ」。 ふてくされて帰る姿に「もう来ないかもしれない」と感じたのもつかの間、小久保は「履き替えてきました。入れてください!」と笑顔で練習場に走ってきた。「自宅と練習場が近く、ものの5分くらいの間だった。本当に憎めない、面白い子だよ」と笑う。 GKとして相手の攻撃を防ぐことを「楽しんでいると思う」と小鷹さん。明るい性格で、チーム活動中に音楽をかける「DJ役」を担うなど、ムードメーカーでもあった。今夏、ポルトガル1部リーグのベンフィカから、ベルギー1部のシントトロイデンに移籍。五輪代表の主将だった藤田譲瑠チマ(22)や2得点を挙げた山本理仁(22)と再びともに戦う。 ▽愛される「三戸ちゃん」