「全米が大谷を絶賛」報道への違和感…「自由の国だが、差別と無縁ではない」アメリカの実態
アメリカの反日感情
昨今、大谷翔平選手に関して、「全アメリカが大谷を絶賛」「大谷ファンの(白人)少年に神対応」「美人レポーターと大谷のほのぼのとしたやり取り」といった、報道をよく見かけないだろうか。こうした報道に触れると、あたかも、「アメリカは親日国」「アメリカで日本人は好かれている」と思い込んでしまいそうになるが、そうではない。これはあくまでも類まれなる才能を持つ「大谷翔平が」絶賛されている、というだけのことである。 【写真】大谷と共に“絶賛”される愛犬「デコピン」と大谷選手の奇跡のハイタッチ画像
もっと言えば、「全アメリカが大谷を絶賛」は言い過ぎだ。基本的にアメリカの場合、地元チームを応援するわけで、ビジターチームは「敵」である。さすがに全盛期のマイケル・ジョーダンともなれば、小規模都市の弱小チームのスタジアムも満席になったし、地元メディアは「ジョーダンが街にやってくる!」と喜んだ。だが、それでも相手チームのファンは、ジョーダンに対し容赦のないブーイングを浴びせたものである。 さらに付け加えると野球はNFLとNBAよりも人気度は下。「全米が絶賛」は相当眉唾ものと言っても過言ではないだろう。 ともあれ、アメリカ人は、自国の選手であろうとも、ビジターに対しては厳しい態度を取る。だから、大谷に関する日本メディアの報道だけを見て「アメリカ=親日国」とは思わない方がいい。基本的にアメリカは全体的に見ると日本には批判的な国である。もちろん表面上は「同盟国」かつ「重要なパートナー」となっているが、実際のところは「属国」なわけで、見下す存在である。だからこそ根強い反日感情は存在するし、日本人選手が活躍しても暗に「ケッ、極東のヤツがかき乱しているが、アメリカ人選手の方がすげーんだよ」と感じられる異議を、元MLBのレジェンドが発するのである。
守備してないじゃん
もっとも、「アメリカ人はフェアに評価する」というのはかなり正しい。とはいえ、とにかく日本人やアジア人が嫌いな人間は一定数存在する。悲しいが、それが現実なのだ。人々の差別感情はコントロールできない。 その一方で、そうした感情を公の場で出すのはいかがなものか? とは思う。成功した日本人選手に対し、批判的なレジェンド達の評価は以下のようなものとなる。 【イチロー】ヒットは打つかもしれないが、単打、しかも内野安打が多い。野球の花はホームランなんだよ。自分の成績を優先してチームの勝利にあまり貢献しない選手だ。ホームランを打つ選手の方が遥かに価値が高い 【松井秀喜】日本では長距離打者で無双していたようだが、MLBでは中距離打者で着実な成績をあげる選手というところか。MLBで長距離打者としては通用しなかったかもしれないが、まぁ、十分アジャストできたな。とはいっても内野ゴロが多過ぎるよ 【大谷翔平】(エンゼルス時代は)素晴らしい成績は出しているものの、チームが弱いので、MVPには値しない。強いチームのアーロン・ジャッジの方が上だ。あと、二刀流だからって評価する? 2022年、ジャッジはホームラン王になったし、打率も大谷より高い。しかも2024シーズンはDHだけだろ? 守備してないじゃん。そんな選手にMVPは与えられない