久光製薬が3連覇 ── バレー全日本女子
バレーボール天皇杯・皇后杯 全日本選手権大会の決勝が14日、東京体育館で行われ、女子は久光製薬(サブホームタウン:兵庫県神戸市)が日立を3-0のストレートで下し、3連覇を達成した(優勝は現全日本選手権としては4度目)。また男子はJTがパナソニック(ホームタウン:大阪府枚方市)をストレートで破り、7年ぶり2度目の優勝。
勝ち方を知っているメンバーで上尾に逆転勝利
久光の皇后杯3連覇への道。最大のヤマ場は上尾との準々決勝だった。久光はサイドが新鍋(理沙)、長岡(望悠)、石井(優希)、セッター古藤(千鶴)、ミドルに岩坂(名奈)と10月に引退した平井(香菜子)から代わった水田(祐未)、リベロに今季復帰した座安(琴希)、筒井(さやか)で先発布陣を組むことが多いが、上尾戦では長岡をさげ、今季から新加入したセルビア代表のエース、ブランキツァ・ミハイロビッチをスタートに起用した。 しかし、思うように回らない。攻守の関係が悪く、攻撃も単調になり、元全日本代表の荒木(絵里香)らにブロックされ、ミスが出てしまう展開。逆にアメリカ代表のエース、ケリー・マーフィーに思うように決められ第1セットを15-25で落としてしまう。続く第2セットは長岡を入れ、石井を下げる布陣に。しかしリズムを作れずに23-25で失い、セットカウント0-2。「負けると終わってしまう」トーナメントで後がない絶体絶命の状況まで追い詰められた。 サイドの決定率をもっと上げるには外国人を使ったほうが? 攻撃的にいったほうがいいか? 守り中心でいくか? 何があるかわからない、選手を休ませられる体制も作っておきたい、そのためにもオプションを多く持っておきたい……勝ち続けるため、常に勝つチームを作るために考え、思案するがゆえの悩みや迷い。そして、のしかかるプレッシャー。 しかしどんな状況でも「久光は勝たなきゃいけない」、指揮官が動いた。第3セットは「一番練習している」という6人に戻す。長岡、石井が当たり出し、要所で新鍋がきっちり決める、ミドルの2人もブロックで得点、これぞ“久光”な展開。「日本一」を知っているメンバー、勝ち方を知っているメンバーで落ち着きを取り戻した久光が、ついには逆転で勝利した。