大企業が続々と“参戦”...マージャンMリーグはプロスポーツになれるか
強い女性選手に憧れるファンも急増中
「Mリーグ」では個人成績トップの選手をMVPとして表彰するが、6シーズン中3シーズンが女性選手だ。全選手の男女比は男性2に対し女性が1程度なので、むしろ女性選手の方が強いと言える。 男性を相手に勝ち切る女性選手たちに憧れる女性マージャンファンも増えた。自分ではマージャンをプレーしないが、観戦するのは好きだという「観る雀」というスタイルのファンも急増中だ。 約50年前、黎明期のプロマージャン界が模したのは、囲碁や将棋の世界だった。何とかして「権威」をつけようと地道な努力が行われてきたが、実はマージャンに似合うのは、そんな堅苦しいものではなくて、大衆的な娯楽のイメージだ。 マージャンを野球やサッカーのようなエンタメ色が強いスポーツへと寄せていった藤田チェアマンの目論見は成功した。 「U-NEXT Pirates」を2度の優勝に導いた小林剛プロは「藤田さんがつくってくれたすごいものを、私たちが力を合わせてより良いものにし、後に続く人たちに残さなければならない」と常々言っているが、選手たちがこういった認識を持ち続ければ「Mリーグ」は「ファンのために戦うプロスポーツ」として成熟していくだろう。 「Mリーグ」の閉会式で、満席のファンを前にし「Mリーグは毎日常に面白い。こんなに素晴らしいマージャンに感謝します」と、無邪気にコメントする藤田さんの笑顔を見て、私が7年前に抱いた不安が杞憂だったことを思い知らされた。 ◆このコラムは、政治、経済からスポーツや芸能まで、世の中の事象を幅広く網羅した『 文藝春秋オピニオン 2025年の論点100 』に掲載されています。
黒木 真生/ノンフィクション出版
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