【アマゾンvs.ウォルマート】ECの巨人と小売の覇者、ネット通販の現状や取り組みまとめ
米国EC市場では、AmaoznとWalmartがシェアを拡大しています。絶対的な存在となっているAmazonに対しWalmartが猛追。他の小売事業者を寄せ付けないAmazonに対し、Walmartは実店舗とEC販路のオムチャネル展開で追撃しています。2社の市場規模拡大は、他の小売事業者のシェアにも影響を与えているようです。
米国ECの巨人Amazon、急成長中のWalmart
WalmartはECでAmazonのシェアに追いつくことができるのでしょうか? 米国のEC専門誌『Digital Commerce 360』が発表した「北米EC事業 トップ1000社」で、Amazonは第1位に、Walmartは2位にランクインしています。 また、EC販路だけでなく大手量販店小売企業を含めても、その2社はトップ2にランクイン。両社はそれぞれ、自社のリソースや施策に関する独自の強みでシェアを広げています。 本記事で詳しく解説するAmazonとWalmartの主なポイントは次の通りです。 ・Walmartは市場シェアを着実に拡大していますが、1位のAmazonはEC市場において圧倒的なシェアを獲得しています。WalmartとAmazonの上位2社による小売事業者の市場シェア拡大により、両社を除く他の北米オンライン小売事業者トップ2000社の市場シェアは低下しています。 ・2017年にAmazonは北米のEC小売事業者トップ2000社のうちの36.4%のシェアを占めていました。現在、そのシェアは39.7%に達すると予測されています。一方、Walmartのシェアは4.4%から倍以上に増加し、10.6%になると予想されています。 ・WalmartとAmazonの売上高を合わせると現在、北米の上位2000社のグローバルEC売上高の50%以上を占めています。 ・Amazonの売上高の拡大はさらに顕著で、2019年から2023年にかけてAmazonの米国EC売上高は1420億ドル近く増加。これに対し、Walmartは550億ドルの増加でした。 ・2018年、AmazonのEC利用率は77.2%、Walmartは同4.9%でした。2023年末までに、Amazonは同71.7%に低下する一方、Walmartは同15.4%と過去最高を記録しています。