【ランキング】増える女性社長 13年で3倍に、輩出数1位の大学は?
女性の社会進出が進み、企業のトップを務める女性が増えています。日本航空(JAL)では客室乗務員(CA)出身の鳥取三津子さん(59)が女性初の社長となることが決まり、話題になりました。起業をして、いきなり社長に就任する形も増えています。東京商工リサーチの全国女性社長調査によると、女性社長の出身大学1位は日本大学です。学生生活での経験が、起業に役立つことはあるのでしょうか。 【ランキング】女性社長 出身大学ランキング
東京商工リサーチの「第12回全国女性社長調査」によると、2023年の女性社長は61万2224人で、前年比4.8%増加。調査を開始した2010年(21万2153人)から13年間で約3倍に増えています。 出身大学別にみると、日本大学が480人でトップ。次いで、2位が慶応義塾大学(393人)、3位は早稲田大学(334人)となっています。
親に内緒で受けた日大芸術学部
日本大学出身の井上佳央里さんは、スマートフォンがあれば誰でも簡単に、ラジオのようにおしゃべりなどを音声配信できるアプリ「Radiotalk」を開発。音声配信サービスを運営する会社Radiotalkの代表取締役を務めています。 井上さんは日本大学芸術学部放送学科を卒業後、プラットフォーム事業やブロードバンド事業を行うエキサイトに入社。2017年、社内ベンチャー制度に応募した「Radiotalk」が好評だったことから、19年3月に独立しました。 井上さんにとって、大学での4年間は「自分のやりたいことを模索し、その芽を育てるという意味で、今の仕事につながる、なくてはならないものでした」といいます。ただ、大学受験の際は進路をめぐり、両親との対立がありました。 「両親や姉は有名大学出身で、父は医師です。両親は私にも有名大学から大手企業就職といった堅実な人生を期待していて、私は高校生の頃から居心地の悪さを感じるようになりました。そんな私にとって、ラジオで爆笑問題さんのトークを聞いたり、脚本家の宮藤官九郎さんのドラマを見たり、吉本ばななさんの小説を読んだりする時間が救いでした。調べてみると4人とも日大芸術学部(日芸)出身と知りました」 とはいえ、大学受験は親の意向に従い、第1志望は国立大学にしていました。いくつかの私立大学を併願しました。ところが大学入試センター試験は緊張しすぎたせいもあって大失敗。 そこで進路をもう一度、考える中で、日大芸術学部のことが思い出されたのです。一番、気になっていた放送学科は出願が終了していましたが、文芸学科はまだ間に合うことがわかり、急遽、出願。親に内緒で、受験料はお小遣いで支払い、こっそり受けました。 「これまでの人生でもっとも後悔していて、反省している話ですが、親に日芸の合格を告げたのは、入学手続き締め切りの直前です。他に合格した私立大学もありましたが、合格通知や入学手続きの書類は捨ててしまっていました。日大以外の選択肢がないという状況をつくって話しました。親は烈火のごとく怒りましたが、最終的には在学中に成果を出すことを条件に認めてくれて、学費は払ってくれることになりました。でも当時は勘当状態でした」 井上さんは当時を振り返って、「遅めの反抗期でしたね。自分探しをしていたのだと思いますが、本当に申し訳なかったと思います」といいます。