【S/Jリーグ 2024 秋田大会プレビュー】「ナマガツ」が地元の秋田でラストマッチへ、永原「特別な大会にしたい」
チームを離れる松本「ナガマツで出れたら嬉しい」
2人がそろって戦う最後の大会を地元で迎える松本、永原は、それぞれどんな思いを抱えているのか。第2戦を終えたタイミングで話を聞いた。松本は「緊張はするのかなと思うけど、何とか、最後、笑って終われるように、悔いなくやりたい。今まで、秋田でたくさんの方が応援してくれたから、東京五輪で終わらずに最後(パリ五輪)まで挑戦できた。これからの(チームを離れる)ことも発表した後も、これからも応援しているよと言ってくれた人が多かった。嬉しかったし、応援してくれたみんなのためにも勝って終わりたい。オーダーは分からないけど、ナガマツで出れたら嬉しい」と胸中を明かした。
松本は、秋田大会を終えた後にチームを離れ、2日後に開幕する国際大会「熊本マスターズジャパン」から福島由紀(岐阜Bluvic)と新たなペアで戦うことが明らかになっている。シーズン途中でチームを離れることに悩みもあったが「最後はリーグを戦って……と思っていたけど、年齢が上がってきていて、時間がない。福島さんと組んで、これからどうなるかも、まだ分からない。出られる大会は出ておきたいと思った」と話した。新しいペアで再び世界のトップを目指すには、日本代表入りが必須条件。国際大会での実績や、12月の全日本総合選手権の結果が、2025年の代表入りを左右する。早めにペアを組むことを発表し、出場の意思を示さなければ、全日本への推薦出場の可能性も危うい。チームに所属したままでは身動きが取れないため、来春まで待てなかったというのが実情だ。
永原「2人で組んだら、ナガマツはすごかったと思ってもらえるように」
一方、永原は「松本と一緒に戦えるのも、私が秋田で戦えるのも、これが最後。たくさんの人が応援に来てくれるらしいという話を聞いていて、自分自身も本当に特別な大会になるんじゃないかと思う。そんな場で戦えるのは、幸せ。地元で最後を締めくくることなんて、なかなかできない。特別な大会にしたい」と意気込みを語った。松本/永原の「ナガマツ」ペアが、世界のトップ争いに急浮上したのは、2018年。日本勢4番手の繰り上げで出場した世界選手権で初優勝を飾り、一気に台頭した。当時は、2016年リオデジャネイロ五輪で金メダルを獲得した高橋礼華/松友美佐紀ペアを日本の若手が追いかける構図。仲間であり、先輩・後輩であり、ライバルでもある日本勢同士の激戦が繰り広げられる中で、松本/永原は急成長を遂げた。その道のりには、世界と戦う姿を秋田で見て学んだ時期もあった。先輩である米元小春(現在は藤本姓)/田中志穂ペアが、2017年には年間成績優秀選手のみが参加するBWF(世界バドミントン連盟)スーパーシリーズファイナルズ(現ワールドツアーファイナルズ)で初優勝を飾るなど、けん引役を担っていた。