日体大・野球部~大学野球の頂上決戦・明治神宮野球大会で日本一を目指す
日本一に向けて乗り越えなければならない関東大会
今年の関東地区大学選手権は第20回の記念大会ということで、例年より5チーム多い15チームが出場した。5日間のトーナメント戦の日程が組まれ、準決勝2試合と決勝が同じ日に行われるというのも例年とは違う部分だった。 日体大の初戦は大会2日目の第3試合で、相手は関東学院大。この試合に勝てば中1日空けて準々決勝、その翌日の準決勝、決勝と戦っていくことになる。初戦の先発は、ドラフト会議でオリックスから2位指名を受けた寺西成騎投手(4年・星稜)だった。古城監督は「篠原の方が連投がきくので、寺西が初戦を投げて次(準々決勝で)篠原が投げれば、寺西は中2日空けることができます」と、その理由を話した。 寺西は5回1失点と試合を作り、打線も初回から先頭の小林聖周外野手(1年・浦和学院)が二塁打で出塁し、二番の門馬功内野手(3年・東海大相模)の適時二塁打で先制と寺西を助けた。酒井成真外野手(2年・東海大菅生)の1点本塁打などでさらに得点を重ねた日体大は、6-2で初戦突破。 試合後、寺西は「調子は悪かったですが、力まないように投げました。フォアボールも出さなかったですし、打たせて捕るように投げて、うしろもしっかり守ってくれたので良かったです」と穏やかな表情を見せた。
準々決勝の共栄大戦では、1回裏に先頭の小林が本塁打を放ち、初戦に続き先制。3回裏にも小林が二塁打で出塁、門馬の四球でチャンスを作ると、南大輔内野手(4年・花咲徳栄)、酒井、黒川の適時打で一挙4点を奪った。 この試合の先発投手は古城監督の宣言通り、秋季リーグ戦で防御率0.40、最優秀投手となった篠原。2回表に2失点し一度は逆転を許したが、4回から7回には9個の三振を奪う圧巻の投球を見せた。初回から3回まではゴロが多かったのに対し、4回から三振ばかりになった理由を尋ねると「相手のバッターがベルトの高さのボールに対して合っていたので、高めか低めどちらかに投げ切らないとこのまま(また失点する可能性もある)だと感じました。リーグ戦のときは全部低めの意識で投げていたのですが、まっすぐは少し高くなってもいいので強く投げようと意識しました」と教えてくれた。 5-4で共栄大に勝利し、準決勝進出を決めた日体大。準決勝で白鷗大に勝てば、明治神宮大会出場が決まる。 白鷗大戦でも1回裏に先頭の小林が内野安打で出塁。鈴木斗偉内野手(2年・山梨学院)の適時打で先制した。先発した寺西は大学公式戦最長の8回を投げ2失点。3-2で迎えた9回表はこの秋初めてクローザーに挑戦する篠原が登板したが、バッテリーミスなどもあり同点に追いつかれて延長戦に突入した。タイブレークで無死一、二塁から始まった10回表、相手のバッターは犠打を試みたがスリーバント失敗で1死一、二塁に。後続を抑えた日体大は、その裏に小林が犠打を決めると相手のバッテリーミスでサヨナラ勝ち、明治神宮大会出場を決めた。 古城監督は、この試合の勝因、また明治神宮大会の出場権を獲得できた理由をこう話した。 「やるべきことをしっかりやるというテーマでやってきたので、相手のバントを成功させない、こっちはどういう状況でもバントを決めるという練習をしていたのが、最後タイブレークでできたのかなという感じです。ピッチャーを中心にしっかり守る堅い守備も目指してきました。ホームでアウトにしたり、ダブルプレーを取ったりとしっかりやってくれたから(関東五連盟)代表を勝ち取れたのだと思います」 準決勝のあとにダブルヘッダーで決勝が行われたが、日体大は6-9で創価大に負けて準優勝となった。明治神宮大会には関東五連盟第二代表として出場し、初戦は九州三連盟代表の福岡大と戦う。 ただ、この創価大戦では野手のスタメンを半分入れ替え、リーグ戦で登板機会の少なかった投手の継投で戦った。古城監督も「リーグ戦で試せていない、この大会でも試せていなかった選手の中で、今後の試合に使える選手を見極めることができたので、それが次の戦いに生きてくれればいいかなと思います」と、手ごたえを感じていた。