VENTENY Lamborghini GT3が17番手から怒涛の追い上げで逆転優勝。2位LEON PYRAMID AMGがタイトル争いリード【スーパーGT第8戦GT300予選レポート】
11月3日、栃木県のモビリティリゾートもてぎで2024スーパーGT第8戦『MOTEGI GT 300km RACE』の決勝が行われ、GT300クラスは88号車VENTENY Lamborghini GT3(小暮卓史/元嶋佑弥)が17番手スタートから怒涛の追い上げをみせて逆転優勝を飾っている。今回の結果でタイトル争いは3台に絞られることになった。 【写真】2024スーパーGT第8戦もてぎ GT300クラスの決勝スタート 例年とは異なり、第5戦の延期によってシーズン最終戦ではなく、サクセスウエイトありで争われるもてぎ大会。レースウイークは土曜予選日こそ雨の悪天候に見舞われてしまったが、迎えた日曜決勝日は晴天に恵まれた。 朝から太陽が顔を出し、11月としては暑さを感じさせるほどの気温21度、路面温度29度というコンディションで始まった決勝レースはスケジュールどおりの13時に栃木県警察先導のパレードラップ1周、セーフティカー先導のフォーメーションラップ1周を経て幕を上げた。 GT500クラスに続いて行われたGT300のスタートでは、クラスポールの31号車apr LC500h GTの中村仁を先頭にクリーンな出だし。そのなかで順位を上げたのはランキングトップの65号車LEON PYRAMID AMGの蒲生尚弥で、3コーナーへの進入で18号車UPGARAGE NSX GT3の小出峻をかわして3番手に浮上する。 18号車UPGARAGEは続いて61号車SUBARU BRZ R&D SPORTの井口卓人にも先行を許し、1周目終了で5番手まで後退となる。その背後では45号車PONOS FERRARI 296のスタートドライバー、リル・ワドゥが87号車METALIVE S Lamborghini GT3の坂口夏月とバトルを繰り広げ、3周目に87号車METALIVE、6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIがワドゥをオーバーテイクしていく。 ペースの上がらない45号車PONOSは、続いて追い上げてきた88号車VENTENY Lamborghini GT3の元嶋佑弥にもかわされてしまう。その直後、ホームストレートで11号車GAINER TANAX Zがスロー走行からストップ。ここでフルコースイエロー(FCY)が宣言される。 レースは8周目から再開されたが、25号車HOPPY Schatz GR Supra GTの右リヤタイヤが外れS字コーナーでグラベルにストップしたため、ふたたび二度目のFCYが導入に。25号車HOPPYの車両回収完了後にレースはリスタート。そのなかでチャンピオンシップを争う88号車VENTENYがサクセスウエイト上限の50kgながら好走をみせ、17番グリッドから6番手まで浮上してくる。 その後もレースは落ち着いた展開が続いが、3分の1を過ぎた22周目に2号車muta Racing GR86 GTがピットインしたことをきっかけに、翌周以降に続々と各マシンがピットに飛び込んでくる。首位をいく31号車apr LC500hもピットに入ると、ブリヂストンが得意とするタイヤ無交換作戦を行い、ストップ時間の短縮を図って小高一斗がコースに復帰する。 その戦略も功を奏し、GT300の全車がピットストップを終えてのトップは31号車apr LC500hとなったが、タイヤ無交換は厳しかったか65号車LEONの篠原拓朗、さらに88号車VENTENYの小暮卓史が背後に迫る。そのトップ争いでは、まずペースに優る88号車VENTENYの小暮が65号車LEONの篠原をパスして2番手に上がると、その勢いのまま首位の31号車apr LC500hに接近。 迎えた37周目の1コーナーで31号車apr LC500hに並んだ88号車VENTENYの小暮は、3コーナーへの進入でインをついて前に出ると、17番グリッドからクラストップに立った。続いて65号車LEONの篠原も31号車apr LC500hの小高をオーバーテイクし2番手に浮上。これでポールスタートの31号車apr LC500hは3番手後退となった。 続く44周目、山内英輝がドライブする61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが90度コーナーで少しコースを外れると、翌周の1コーナーでマシントラブルと思われるアクシデントでスピンアウト。幸いマシンはグラベルで止まったため山内を含め大きなダメージはないが、またしても61号車スバルはリタイアでレースを終える結果になってしまった。 ペースの上がらない31号車apr LC500hは87号車METALIVE Sにかわされた後、GT500クラスの3号車Niterra MOTUL Zと17号車Astemo CIVIC TYPE R-GTの2台とS字コーナーへの進入で接触し、外側にいた31号車がコースサイドに弾かれるという不運に見舞われ、8番手まで後退してしまう。 そんなアクシデントとは無縁の88号車VENTENYは、2番手以下を18秒ほど引き離してトップを独走。そのまま今季3勝目となる優勝を17番手スタートした。2位にはランキングトップをさらに盤石とする65号車LEONが続き、3位には18号車UPGARAGEがおよそ1年ぶりとなる表彰台を手に入れている。 ランキングでは2位フィニッシュの65号車LEONが得点を84ポイントに伸ばし、優勝を飾りランキング2位に上った88号車VENTENYとの差を11ポイント差とした。13位フィニッシュの2号車muta Racing GR86 GTは64ポイントでランキング3位に後退、12月7~8日の最終戦鈴鹿には、この3台がタイトル争いの権利を残して臨むことになる。 [オートスポーツweb 2024年11月03日]