インティマシーコーディネーターの導入で何が変わるのか 俳優の「できません」は当然の権利
日テレNEWS NNN
映像作品の性的なシーンにおいて、俳優の安全を守り、監督の演出意図を実現できるようにサポートするスタッフ・インティマシーコーディネーター。 近年、映画やドラマの現場でインティマシーコーディネーターの導入が進んでいます。一方で、性被害が描かれたある作品において、主演俳優がインティマシーコーディネーターの参加を望んだにもかかわらず、監督が受け入れなかったとされ、SNSなどで問題視する声があがっています。 【画像】浅田智穂さん、インティマシーコーディネーターの育成に取り組むワケ 映像作品づくりにインティマシーコーディネーターが参加することで、何が変わるのか。これまで約50本の作品にインティマシーコーディネーターとして参加した、浅田智穂さんにお話を伺いました。
■インティマシーコーディネーターとは? 「できません」は俳優として当然の権利
映像制作において、俳優がヌードになったり、肌の露出が多いシーン、それから疑似性行為をするシーン、身体的接触があるシーン、そういった性的なシーンは“インティマシーシーン”と呼ばれます。そのようなインティマシーシーンの撮影時に、俳優の身体的・精神的安心安全を守りつつ、監督が思い描くビジョンを最大限実現させるためにサポートするのが、インティマシーコーディネーターです。 インティマシーシーンを撮影するにあたっては、まず台本からインティマシーシーンにあたる箇所をピックアップし、監督から該当シーンの細かい描写を吸い上げ、俳優がその描写の中でどこまで許容できるのか細部まで確認し、同意を取るといいます。 浅田さん:その時に“できます。同意します”と(俳優が)おっしゃっても、撮影の当日に“やっぱりできません”ということができるんです。俳優の当然の権利なんですけれども、それが皆さん驚かれますね。(事前の)面談の時にできますっていうことをおっしゃっていても、そこから撮影が長く続くと、実際のインティマシーシーンの撮影まで、数か月あくこともあるんです。その途中に考えが変わったり、プライベートで何かそれをやりたくなくなってしまったりするようなことがあったり、あってはならないことですけど、共演者だったり、監督からハラスメントを受けたとかいうこともあり得るので、その時の同意というのはいつでも覆せる。