中学受験を断念し6年生で海外留学を決断した母子 「塾を辞めたい」息子のひと言から始まった新しい人生
── 日本にいたときと比べて生活の面で変わったことはありますか。 高橋さん:日本では、仕事の忙しさから、なるべく家事に時間を使わないようにスーパーのお惣菜などに頼っていました。家でのご飯が手抜きになってしまっても、学校や学童で栄養のある食事をとっているだろうから、「まぁいいか」と思うようにしていたんです。でも、こちらではほぼ自炊です。お惣菜も脂っこいものが多いですし、値段も高いです。息子が成長期でスポーツをしていることもあって、「試合の前はこういったものを食べさせよう」と体のことを考えた食事づくりを意識するようになったのは良かったと思います。
── 最初は1年の予定で留学したそうですが、今後はどう考えていますか。 高橋さん:ビザが出る期間が1年だったのでそう設定して、「とりあえず行ってみるか」という気持ちでフットワーク軽く来ました。これまで長期で海外に住んだこともありませんでしたし、私も息子もカナダに来たこと自体が初めてでした。 最初は、今後についてはしばらく様子を見ようと思っていたのですが、9月から学校が始まって、12月には来年度の学費の支払いの連絡が来たので、来年度のことをすぐ決めなくてはならなくなりました。結果、早々に期間を延長することを決めた形です。息子も、カナダが気に入ってこちらで野球も続けていきたいそうなので、しばらくここにいたいと言っています。物価も高くなっているので、私の仕事がこの先も続けられて、ビザがおりる限りは、留学生活を続けたいと思っています。
取材・文/内橋明日香
内橋明日香