中学受験を断念し6年生で海外留学を決断した母子 「塾を辞めたい」息子のひと言から始まった新しい人生
日本から続けていた野球のつながりでも友達が増えていきました。カナダに来て1か月ほどで、野球チームのトライアウトに参加したときに、息子が大きなヒットを打ったんです。その瞬間に、「うまい子がいるぞ」と受け入れてもらった感じがありました。 そこから強いチームを紹介してもらうなど、野球の情報も得られるようになりました。遠征などもあって大変ではあるのですが、楽しく続けられています。うちのようにほぼ英語を離せない状態からスタートしても、言葉が要らなくても繋がれる共通の話題があれば、より馴染みやすいと思いました。スポーツに限らず、日本のアニメや漫画も人気なので、そういったものに詳しいのもいいと思います。
── 息子さんの学校がある日のスケジュールを教えてください。 高橋さん:ビザを延長して滞在期間を延ばし、息子は今、日本でいう中学2年生の学年にあたるグレード8なんですが、グレード8から12まではセカンダリースクールと言って、日本でいう中学と高校が一緒のような学校です。学校にはバスで通っていて、朝8時過ぎに家を出て、15時まで授業があります。放課後は、日本でも続けていた野球の練習をしています。 強化チームに入っているので、夏の間は放課後から夜まで野球の練習や試合があり、遠征もあるので結構ハードです。今日は学校のバレーボールクラブに参加していました。習い事としては公文にも通っていて、英語のリーディングを習っています。何もない日はあまりないくらい私より忙しい毎日ですが(笑)、放課後に予定がない日は近所で学校の友達を遊んでいることもあります。
── 息子さん、留学生活を満喫しているようですね。 高橋さん:自由な雰囲気がすごく気に入っているようです。息子からは、「もっと早いうちから来たかった、なんで連れてきてくれなかったの」と言われました。私から見ても、日本にいるときよりも子どもらしく、のびのびと過ごせているように思えます。 息子は、どちらかというと少しやんちゃなタイプで、日本にいたときは、外でうるさくして怒られることもありました。私も、人の目を気にしていたように思います。どこかで、おとなしくて大人びている子がいいとされる雰囲気に対して、息苦しさを感じていました。