中学受験を断念し6年生で海外留学を決断した母子 「塾を辞めたい」息子のひと言から始まった新しい人生
自宅で日本の仕事をリモートでしているので、私はあまり日常的に英語を話す機会がないのですが、それでも日々の買い物や野球のつき添いなどでリスニング力は上がっていると感じます。英語の勉強も続けています。
■留学生活のリアル「引越し直前のお知らせに驚いて」 ── 海外生活を送るなかで困ったことはありますか。 高橋さん:今年の8月でこちらに来て3年目に入るのですが、とにかく1年目は何もかもが大変でした。車を使わずに生活しているので、どこに行くにも移動の不便さがあります。日本のような宅配便の再配達のようなサービスもないので、受け取れなかった荷物をとりに行くのもひと苦労です。買い物もアジア食材など目的のものがあれば、日本のスーパーのように1か所で必要なものが揃うわけではなく、いろいろな店に行かなくてはなりません。どこで何が買えるかを把握するのにも時間がかかりました。
最初はキッチン付きのホテルで生活を始めて、そこから渡航前に契約していた賃貸の家に入居することになっていたのですが、引っ越しの直前に「入居時期が遅れます」というお知らせが来ました。こちらではよくあることらしいのですが、びっくりしますよね。食器1枚揃えるところから始まり、生活を整えながら慣れない環境で仕事をして、息子は学校もあって。右も左もわからないという言葉が相応しかったと思います。 ── 日本の仕事をリモートでしているとのことですが、時差の影響はありませんか。
高橋さん:こちらの午前中が日本の夜中なので、午前中は誰からも連絡が来ません。その間は自分の仕事に集中できるよさがあります。ただ、ミーティングがあるときは、日本の午前10時が今のサマータイム期間はこちらの18時なので、23時頃までは仕事の打ち合わせが入ることはあります。 子どもが小さい場合は、学校への送り迎えをする必要があるので、都合がつきやすい仕事をする必要があると思います。言葉の習得の面で言うと、子どもがより小さいうちに来た方が早く身につくとは思いますが、親の大変さはあるかもしれません。