長友佑都の今後はどうなる?
例えば左を小川諒也、右を日本代表の室屋成が担うサイドバックはどうか。期限付き移籍先のモンテディオ山形で成長し、満を持して復帰した柳貴博が開幕直前に、モンテディオからベガルタ仙台の指揮官に就いた木山隆之監督のラブコールに応えて再び期限付き移籍。現状では小川と室屋以外に2年目の中村拓海、ともにルーキーの中村帆高、バングーナガンデ佳史扶という陣容になっている。 左サイドバックは佳史扶に加えて、ヴィッセル神戸から加入したセンターバックのジョアン・オマリも対応できる。しかし、この先に待つ過密日程に、中断しているAFCチャンピオンズリーグ(ACL)が再開されて加わってくれば、けがなどの不測の事態も考慮しなければならない。 昨シーズンから先発に定着した小川も23歳であることを考えれば、百戦錬磨の経験を誇る長友の加入はただ単に戦力をアップさせるだけではなく、ピッチ内外での立ち居振る舞いを介して若手の指南役となる相乗効果も生まれる。両思いとなる上でのハードルは、あとは年俸面となるだろうか。この点に関しては新型コロナウイルスの影響で、大幅減収が避けられない状況も関係してくる。 長友がもうひとつの懸念材料としてあげていた、フィジカルコンディションに関しては不安はないと言っていい。トルコでも自宅待機を余儀なくされていた間に午前、午後と過酷なメニューを自らに課す体幹トレーニングを継続してきた長友は、前出のFC東京主催のイベントで「体幹トレーニングのしすぎで、身体は仕上がりまくっています」と笑いながら、こんな言葉をつけ加えている。 「マジで悩みがないというか、悩みの処理能力が早いところが自分の強みだと思っています。逆境が大好物なんでしょうね」 所属クラブなしとなったいま現在こそが最大の逆境であり、長友を悩ますことなく内側から高ぶらせる。5つ目のクラブとなる新天地をヨーロッパでの再挑戦に求めるのか、あるいは濃密な経験を還元しながら母国で戦うのか。無所属選手が夏の移籍期間以外でもJクラブへ加入できる、追加登録の期限は新型コロナウイルス感染拡大の影響で公式戦の試合日程が変更となったことを受け当初の9月18日から11月6日へと変更されている。 (文責・藤江直人/スポーツライター)