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J1再開あと3日…浦和レッズ興梠慎三が自粛期間中に地元で続けた”飲食テイクアウト”という恩返し「自分にできることはピッチでの100%プレー」

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THE PAGE

 新型コロナウイルス禍で客足が鈍り、売り上げも減って頭を抱えている飲食店に、どこかで見覚えのある顔がふらりと現れてはテイクアウトを注文する。目を凝らせばいつも応援している最愛のクラブ、浦和レッズの不動のエースストライカーだったらどれだけ驚かれ、そして喜ばれることか。  2月下旬の開幕節から中断してきたJ1リーグ戦が再開される今月4日へ向けて、いよいよカウントダウンに入った6月30日に浦和レッズのFW興梠慎三がオンライン形式の取材に対応。中断期間に地元・浦和の町へ粋な恩返しをしてきたことを、照れ笑いを浮かべながら明らかにした。 「コロナのなかで飲食業の人たちがすごく困っている、ということを聞いていたので。ただ、浦和の町へ食べにいくことはできないので、少しでも飲食業の人たちに貢献できるように、テイクアウトでいろいろなお店を回って、家へ持って帰って食べていました。まあ、プクプク太る日々でした」  埼玉県を含めた首都圏に発令されていた緊急事態宣言が解除された、5月25日を待っていたかのように興梠はユニークな行動を起こした。自主トレ、4つのグループに分かれての練習、そして全体練習と移行していったレッズの練習から帰宅する途中で、浦和の町へ立ち寄るようにした。 「僕がいつもお世話になっているお店や、浦和レッズを応援してくれているお店でテイクアウトをしました。まあ微々たるものですけど、そういうことしか僕にはできなかったので」  いつ明けるともわからない中断を余儀なくされてきたなかで、数多くのJリーガーがSNSを介してファン・サポーターと交流し、笑いや勇気を届けてきた。誰よりもSNSを駆使するJリーガー、槙野智章を筆頭にレッズの選手たちも積極的にSNS上でイベントを開催している。

 サッカーが失われた日々を寂しがっているファン・サポーターへ、興梠自身も何かを発信したい思いを抱き続けてきた。しかし、シャイで朴訥な性格が二の足を踏ませてきたと打ち明ける。 「ユーチューブでの企画などを含めて、いろいろと発信していく選手が非常に多いなかで、僕自身はSNSで何かをするのがすごく苦手なので。自分にできることを考えたら、やっぱり再開したときにピッチのなかで100%のプレーを見せる、ということが大切なのかなと感じていました」  興梠のSNSを見てみると、昨年2月から利用を開始しているツイッター(@kshinzoreds30)のツイート数は30日現在で15個。今年に入ってからは新たな投稿がなく、フェイスブックとインスタグラムは利用していない。確かにSNSを介しての発信を不得手としているようだ。  それでも、鹿島アントラーズから移籍して8年目を迎えたレッズのお膝元、浦和の町へ注ぐ愛情は深い。例えば激闘の末にアル・ヒラル(サウジアラビア)を破り、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)の頂点を勝ち取った、2017年11月25日の深夜に見せた姿はいまでも語り草になっている。  レッズの悲願でもあった10年ぶり2度目のアジア制覇を、5万7727人の大観衆で埋まった埼玉スタジアムで成就できた余韻にもっと浸りたかったからか。浦和の町へ繰り出した興梠は、レッズサポーターが集まることで有名な居酒屋で至福の喜びを共有し、その後に訪れた牛丼チェーン店では居合わせた客の会計をすべてもった逸話が、興梠へのエールとともにSNSへ投稿されて注目を集めた。  愛してやまないその浦和の町が、新型コロナウイルスという未知の敵に苦しめられている。特に飲食店は補償なき休業を要請され、多くが声にならない悲鳴をあげている。自宅待機中にニュースなどを見聞きするたびに心を痛めてきた興梠は、ピッチの外でも自分にできることがあると気がついた。

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