自動変速システム「ASA」をついに実装! 最新の電子装備を満載のR1300GSアドベンチャー登場
新開発のエンジン、そしていよいよ装備されるASAが生み出す走行性能
R1300GSアドベンチャーに搭載されるエンジンは、最高出力145PS/7750rpm、最大トルク149N・mとR1300GSと基本的には同じである。このエンジンは3600~7800rpmの常用回転域で常に130N・m以上のトルクを発生し、あらゆる走行シーンにおいてパワフルな走行を可能にする。 トランスミッションのギア比などはR1300GSと同じであるが、このR1300GSアドベンチャーにおいて初めて自動変速システムであるASAがオプション設定されることが発表された。このASAは「オート・シフト・アシスタント」の略であり、完全自動変速とクラッチレスによる手動変速を行なうことができるシステムである。これまでもシフトアシストプロによってクラッチレスの変速機構を実現していたBMWであるが、これはいわゆるクイックシフターの延長線上にある技術であった。ここ最近ホンダやヤマハも新しいシフトシステムを発表しているが、いよいよBMWの次世代型を投入してきたという訳だ。 このASAはマニュアルミッションをベースに、ミッションとクラッチをそれぞれ電気式のアクチュエーターで駆動することで変速を行なうようになっている。クラッチの自動操作が介入したことで停車時にもクラッチ操作の必要はなく、完全な自動変速を実現しており、クラッチレバーは完全に取り払われている。モードは手動変則の「M」と完全自動変速の「D」というふたつを切り替えて使うことができるが、「M」モード時でもシフトペダルを操作するだけで変速することが可能になっている。各部のセンサーと密接にリンクしたこのシステムは、半クラッチを含めたクラッチの断続操作を最適に行なうことが可能になっている。 気になるのは坂道発進だが、ヒルスタートコントロールが装備されることにより、タンデムや積載時などでも完璧に坂道発進することが可能になっている。このASAは2025年モデル以降のR1300GSにもオプション設定されるということなので、そちらも楽しみな情報である。 このASA以外にも4種類のライディングモードを標準装備し、アクティブ クルーズ コントロール (ACC)、前方衝突警告 (FCW)、車線変更警告、後方衝突警告 (RECW) などがファクトリーオプションとして用意されており、安全性や快適性において極めて先進的なバイクとなっている。