人間関係のトラブルを「うまく乗り切れる人」と「火に油を注ぐ人」の違い
人とトラブルになったときに、うまく乗りきれる人と、逆に火に油を注いで余計に炎上させてしまう人がいます。その違いは、どこにあるのでしょうか? プロのコーチとして、これまでに2万人以上のリーダーを対象にコーチングやリーダーシップの指導をしてきた林健太郎さんの書籍『「ごめんなさい」の練習』から紹介します。 人間関係が良くなる8か条 ※本稿は、林健太郎著『「ごめんなさい」の練習』(PHP研究所)から一部抜粋・編集したものです。
2つの「ごめんなさい」をうまく使いわける
私は「『ごめんなさい』には、2つの種類がある」と考えています。 ①大きなごめんなさい(Iʼm sorry) 2つの種類のうちの1つ目は、英語でいうところの「Iʼm sorry」です。「なにを今さら。そんなこと知ってるよ」と思われたでしょうか。 ですが、この言葉であらわす謝罪の気持ちは、実はかなり「強め」です。日本語で表現するならば、「ご迷惑をおかけして、誠に申し訳ございません」といった、かなりかしこまったイメージです。たとえば、「企業の謝罪会見」のような雰囲気といえば伝わるでしょうか。 また、「I’m sorry」には主語があります。「『私は』謝罪する」と伝えていて、だれに責任があるのかを明確にしています。 つまり、1つ目の「ごめんなさい」(Iʼm sorry)は、重たくて、かしこまった、公式の謝罪の意味合いが出る「大きなごめんなさい」といえます。 ②小さなごめんなさい(Oops, did I do something?) 一方、私がおすすめする「ごめんなさい」は、重たくて、かしこまったものではなく、もっと普段使い用です。 英語でいうならば、「Oops, did I do something?」(あっ、私、なんかしちゃった?)のイメージです。実際、アメリカでは、このフレーズをよく使います。 2つ目の「ごめんなさい」(Oops, did I do something?)は、「あっ、相手を不快にさせたかも」と思ったときに、すかさず入れるフォローのひと言で、「小さなごめんなさい」といえます。 「あっ」と思った瞬間に「ごめんなさい」のひと言があれば、それ以上おたがいがぶつからず、ぎくしゃくしかけた空気がふわっとやわらぎますよね。普段使い用なので使用頻度が高く、身近な人といい関係をつくっていくときに、とても大切な役割を果たします。