「わからないことは聞いてね」新人への言葉に潜むプレッシャーも「予想外のひと言が夫の口から飛び出し私まで救われた」
■「不完全なもの同士だからこそ、おもしろいものが生まれる」 ── 髭さんの言葉って、言われたいのはもちろん、自分も先輩の立場として、こういった声がけができるようになっていきたいという目標にもなりますよね。 B.B軍曹さん:私も後輩や部下には、髭のような声をかけられる人でありたいと思います。「質問すること=できない自分を見せること」ではなく、「一緒に考えるチャンス」として受け取れるような環境をつくりたいです。髭はつねづね「自分の経験を押しつけず、相手が必要なときにそっと支えるのが本当の優しさ」と言っていて。この言葉を胸に、私も「相手のペースを大切にするコミュニケーション」を心がけていきたいと思っています。
── 同じ意味合いの言葉でも、少し表現を変えるだけで「人を惹きつける話し方」になる。髭さんのポジティブな発想からの賜物ですね! B.B軍曹さん:髭の発想には「シンプルな視点に立ち返る力」があると思っていて。例えば、「迷ったら聞いて」という言葉。これって簡単なようでいて、「迷う自分を肯定してもらえる安心感」が含まれているんですよね。髭はよく「不完全なもの同士だからこそ、おもしろいものが生まれる」と言っていて。その言葉から、「相手に完璧を求めない」ことの大切さを学びました。この視点を持つだけで、人間関係がすごくラクになったんです。
── 作品を拝読していると、【髭(夫)軍曹(妻)】のやりとりには、あらゆる人間関係に応用できるヒントが散りばめられていて、つい真似したくなります! B.B軍曹さん:漫画にするうえで、私自身、多少の脚色を入れることはありますが、「これくらいのことなら、自分も言えるかも」と思わせるのが彼のすごいところ。そんな言葉だからこそ、日常の中で自然と真似したくなるのかなと思っています。
■言葉は傷つける道具でもあり、守る盾でもある ── 最近、SNSでの誹謗中傷など、言葉の持つ力がネガティブにはたらく場面も増えているように感じます。B.B軍曹さんはそんな言葉について、どうお考えですか? B.B軍曹さん:私自身、SNSで誹謗中傷を受けた経験があります。本当につらかったし、相手の言葉に傷ついて、眠れない夜も…。事実無根の書き込みに対して、「何でこんなことを言われなきゃいけないんだろう」と何度も考えました。でも、ただ耐えるだけでは解決しないと思い、専門家に相談し、開示請求と法的措置を取ることにしました。その結果、相手に責任が問われる形となり、自分の尊厳を守ることができたのは、大きな一歩だったと思います。