冥王星まであと3か月、探査機撮影のカラー写真を公開
NASAの冥王星探査機「ニューホライズンズ」が撮影した冥王星と衛星カロンのカラー画像が公開されました。この探査機は、今年7月に冥王星に接近して、冥王星の大気や表面の様子を探査するほか、カロンの大気の有無などを調べます。
「ニューホライズンズ」は2006年1月に打ち上げられました。カラー画像を撮影した今月9日時点で、「ニューホライズンズ」から冥王星までの距離は約1億1500万km。地球から太陽までの距離(約1.5億km)よりも近いのですが、この距離から撮影しても冥王星とカロンは単なる明るい点のようにしか写っていません。それでも今年1月25日に撮影された画像と比べると、近づいていることを実感させる画像になっています。 「ニューホライズンズ」は9年半の旅の末、今年7月14日に冥王星の表面からわずか1万2500kmにまで最接近します。計画が始まった2001年には見つかっていなかったほかの「ニクス」「ヒドラ」「ケルベロス」「ステュクス」という4つの衛星を調査するほか、ほかにも衛星がないかどうかを探す予定です。 冥王星を通り過ぎた後にも、太陽系外縁天体を探査する計画になっています。太陽系外縁天体というのは、海王星の外側を周る天体のことです。この「エッジワース・カイパーベルト」と呼ばれる領域に集う小天体は近年になって次々と発見されていますが、太陽~地球の数十倍という太陽系の果てにあるため、それらの性質についてはまだまだわからないことだらけです。 プロジェクトチームのHal Weaverさんは「この歴史的ミッションから得られた成果で、私たちは教科書を『書き換える』のではありません。一から書き起こすのですよ」と話しています。 冥王星は1930年2月18日に発見されました。探査機には、冥王星の発見者である天文学者クライド・トンボーの遺灰も収められています。 (監修:アストロアーツ)