大阪桐蔭OBはなぜプロで活躍するのか?
プロ野球界を大阪桐蔭卒のOBが席巻している。 パ・リーグで、熾烈な本塁打争いをしているのが、18本で並んでいる、おかわり君こと中村剛也(31)と、中田翔(26)の2人だ。おかわり君は、交流戦で7本塁打の量産モード。また西武では外野守備につく交流戦で悩んでいた森友哉(19)も、2桁本塁打に乗せて、ようやく復調の気配。高卒2年目までの2桁本塁打記録は、大谷翔平、掛布雅之、清原和博、松井秀喜以来の史上5人目の快挙である。同じく西武の浅村栄斗(25)も打率.326、7本、41打点と好調。中日の平田良介(27)も、今季は、打率.320、5本、20打点と、打撃10傑の上位を維持している。彼らは、揃いも揃って大阪桐蔭のOBである。しかも、全員が全員、長打の打てるスラッガーときている。6日の横浜DeNA戦では、西武の大阪桐蔭トリオが、本塁打競演をして大きな話題になった。現在、故障で戦列を離れているが、阪神の西岡剛(30)もいる。なぜ、こうも、大阪桐蔭OBは、プロで活躍するのだろうか? 当事者の一人、日ハムの中田翔に聞くと、「みんなに共通しているのはスイングの凄さ。バットを強く振れるということでしょう」という。 「僕も高校時代に中村さんのバッティングを目の前で見て、スイングに驚き、バットを強く振ることをずっと意識していました」 おかわり君は、甲子園出場経験はなかったが、大阪府予選では6本塁打を記録して、「ナニワのカブレラ」との異名で呼ばれた。通算83本で、2001年のドラフトで西武に2位指名された。中田翔は、その6年後輩。1年の夏から甲子園出場を果たしてベスト4。通算87本塁打、甲子園でも4本塁打を放ち2007年のドラフトでは4球団が競合した。 中田が高校時代には、届け出をして生徒と接触さえしなければ、プロが母校で練習をすることが解禁になっていて、おかわり君は、オフに母校で練習する機会があった。遠目に見学していた中田は、そのときプロのバットスイングの速さに驚き、もっともっと振り込むことを自らに科した。夜中の2時までバットスイングをしていたこともあったという。1年のときの3年には平田がいて、彼もまた甲子園で1試合3本塁打、通算70本塁打を記録していた。身近な人が先にプロへ進んだ刺激もあったのだろう。