賢い子に育てたいなら…一級建築士が提言する「子ども部屋」でやってはいけないこと
学習机からベッドが見えてはいけない
あとちょっとで勉強が終わるのに、集中が途切れてしまってベッドにダイブ!なんてこと、誰しも身に覚えがあるのではないでしょうか? それは集中とリラックスの領域が、空間的に分けられていないことが原因かもしれません。 昨今では、私たち親世代が子どもだった頃よりも、子ども部屋がコンパクトな傾向にあります。だからこそ、集中とリラックスの空間が混在しがちなのですが、そこはなんとなくでも領域分けをすることが重要。学習机に向かったときに、視界に入るモノで集中を妨げないように、子ども部屋の環境と家具の配置を意識して整えることが大切です。 またリラックスという視点で言うと、「部屋の出入り口と机の位置関係」も見逃せません。 人は、防衛本能的に後ろを気にすると言われています。ドアが自分の背面にあると、自己を守るための防衛本能がマイナスに働き、集中力が低下して、注意散漫になってしまうのです。そのため、ドアを背にしないことも集中力を高める上で大切なポイントになります。 総じて、集中するためにはリラックスできる環境を作ることが大切です。 ・ベッドは学習机の背後、もしくは椅子に座ったときに直接視界に入らないようにする ・ドアは椅子に座った時になんとなく見える位置にする この点を押さえて家具配置をするのがベストです。
インテリアの色味と照明計画で集中力を高めよう
少し視点を変えて、集中できる色味についても考えてみましょう。 一般的に青を代表とする寒色は、気持ちを落ち着けて集中力を高めると言われています。それ以外にも、緑はリラックス効果、黄色はモチベーションを上げる効果があるそうです。 逆に、赤は脳を興奮させて、注意力散漫になりがちな色として知られています。 色の効果を知って、集中力を高める色を学習机の周りに、集中を妨げる色は勉強中に視界に入らない場所に配置するように工夫してみてください。 また、照明も集中力に大きく影響します。 家庭で使われるLEDや蛍光灯の照明の色は、主に、太陽光に近いナチュラルな白色の「昼白色」、青みがかった白色の「昼光色」、温かみのあるオレンジ系の「電球色」に分けられ、それぞれの特徴に合わせて設置場所に適した色を選ぶのがポイントとなります。 この三種類のうち、勉強に向いているのは青みがかった「昼光色」の照明です。暗くなりがちな手元をしっかり照らすデスクライトは、昼光色の電球を選ぶと良いでしょう。 とはいえ、勉強だけでなく寝室も兼ねる子ども部屋に関しては、優しくて落ち着く、入眠に効果的な「電球色」も捨て難いですよね。 部屋全体の照明が電球色で、手元だけ昼光色などと色味がごちゃ混ぜになると違和感を覚えやすいので、調光、調色機能付きの照明を取り入れて、勉強とそれ以外の用途で使い分けすることを私はオススメしています。