転職エージェントのカモにされる「おいしい人材」の致命的な特徴
● リーダーが判断を間違えれば 大事な社員はどんどん辞める 人手不足の折、せっかく採用した社員が辞めてしまうという話を聞くことが多くなりました。辞める原因はいくつかあると思いますが、ここでは二つの原因を取り上げます。 【この記事の画像を見る】 まず、中小企業の場合、自社の器(レベル)に合った人材しか残らないということです。中小企業は過渡期の会社が多く、そのレベルが上がっていく過程でも、自社のレベルにあった人しか残らないということを認識しておくべきです。 そんな中小企業に、ピカピカの人材が応募してきたことがありました。10年以上前の話ですが、当社(小宮コンサルタンツ)がある会社(売上高30億円規模、社員40人程の中小企業)の新入社員研修を担当したことがありました。 成長期にあったものの離職率が高く、毎年5人くらいの大卒の新卒を採用していました。成長期にあるとはいえ中小企業なので、世間で難関大学と呼ばれる学校の卒業生はいませんでした。 ところがある年、私立の最難関大学の男子学生が応募してきたのです。会ってみた印象はとても良かったのですが、失礼ながら私は、その中小企業の器には合わないと思い、社長に「見送った方がいい」という話をしました。 でも、見えっ張りだった社長は、「うちにもこんなすごい学校から応募してくるようになった」と喜んで採用してしまった。 当社が実施した入社前の研修では、その学生は特段変わったところはなかったのですが、会社の社風や上司、先輩、同期のレベルは少し働き始めれば分かります。ミスマッチだったことを悟ったのか、その学生は入社して2日目に辞めてしまいました。 ミスマッチはお互いにとって不幸なことです。その学生はもう新卒として就職活動をすることができないし、次の会社の面接では短期で辞めた理由を聞かれるかもしれません。 会社としても5人採用したうちの1人が短期で辞めたのだから、新入社員の20%の戦力ダウンで、予定していた戦略アップもできなくなってしまいました。