和食店シェフ・田嶋善文さんに聞いた!スープジャーで叶える目から鱗のアウトドア弁当4選
キャンプ場でのんびり過ごしたい人のために。温かな汁物からガッツリ系の主食まで、スープジャーで叶える最高の弁当を紹介! 【写真15枚】保温力の高いスープジャーに詰めれば、ゆるい半熟状態の卵がふんわりと仕上がる。オムライス、モロッコ風トマト煮込みなど、アウトドア弁当4選を写真で見る ・教えてくれた人 「namida」店主 田嶋善文さん 和食やイタリアンなどの技法を織り交ぜた独創的な料理に定評あり。趣味は山登り。山飯ブランド「マウンテン グルメ ラボ」のレシピ開発も担当。 ・教わった人 編集部員 ハラボー
スープジャーで本格料理を持っていこう!保温力を利用するべし
キャンプ場に到着後くらいは料理せずにのんびりしたい。かといって、コンビニのおにぎり持参じゃあ味気ない……。キャンプ料理ビギナーであるハラボーのそんな悩みに応えてくれたのは、和食店「namida」の田嶋善文さん。スープジャーに詰める、簡単かつ本格的な味わいの弁当を指南してくれた。 「スープジャーの保温力を利用しない手はありません」と田嶋さん。たとえばオムライス。卵の火入れは難しいが、田嶋流は半熟状態でOK。ジャーに詰め、卵自身の余熱でほど良く固める作戦だ。煮込みもひと煮立ちさせるだけのレシピで、移動中に食材に味がしみるという計算。 さらに「味の決まる要素を加えれば失敗知らず」。豚汁にはフリーズドライの味噌汁を、煮込みにはトマトジュースを使うなど簡単なコツが満載! キャンプ場で弁当、ハマるかも⁉ ◆フリーズドライにひと手間加えた 具だくさん豚汁弁当 手軽なフリーズドライの味噌汁に、炒めた具を足したデラックスバージョン。ごま油が香って風味満点! 主食は塩むすび。焚き火で炙れば最高の野外弁当に。 ・材料(1人分) 豚バラ薄切り肉…60g 油揚げ…1/2枚 タマネギ…35g 豚汁用ミックス野菜(水煮)…60g A 酒…大さじ1 塩、白こしょう、しょうゆ…各少々 ごま油…大さじ2 フリーズドライの 味噌汁…2個 塩むすび…お好みの量 ・作り方 (1)豚肉はひと口大、油揚げは短冊切り、タマネギは薄切りにする。 (2)鍋にごま油を中火で熱し、豚肉を色が変わるまで炒める。タマネギ、油揚げ、ミックス野菜を順に加えて炒め、Aで調味する。 (3)スープジャーにフリーズドライの味噌汁と、袋の表示分量どおりの熱湯を入れる。②を加えて蓋をする。 具は多めのごま油で炒めることで、芳ばしい香りがつく。仕上げにしょうゆ少々を加えることで風味アップ。 ・POINT フリーズドライの味噌汁をベースにすれば、味つけに戸惑うことなし。豚汁用の具を炒めて追加するので、豚汁以外の商品を使おう。 ◆ふんわり、カリッと新食感 オムライス弁当 保温力の高いスープジャーに詰めれば、ゆるい半熟状態の卵がふんわりと仕上がる。ナッツの小気味よい食感が驚くほどいいアクセントに。 ・材料(1人分) ごはん…200g 卵…2個 鶏むね肉…50g ピーマン…1個 タマネギ…25g ニンニク…小1片 A ケチャップ…大さじ2 ソース…大さじ1 バター…15g 塩、黒こしょう…各少々 オリーブオイル…大さじ2強 ミックスナッツ…適量 ・作り方 (1)鶏肉は小さめのひと口大、ピーマンは細切り、タマネギとニンニクはみじん切りにする。 (2)フライパンにオリーブオイル大さじ1、タマネギ、ニンニクを入れ、中火にかけて炒める。香りが立ったら鶏肉を加えて炒める。肉に火が通ったら、ピーマンを投入。 (3)A、ごはん、バターを順に加え、全体に調味料がなじむまで炒める。塩、こしょうで味を調え、フードジャーに詰める。 (4)フライパンにオリーブオイル大さじ1強を中火で熱し、水大さじ1を混ぜた溶き卵を流し入れる。スプーンでゆっくりと寄せながら火を入れ、半熟状態でジャー内のご飯にのせ、蓋をする。 (5)食べる直前に砕いたナッツをのせ、好みでケチャップ(分量外)をかける。 スープジャーにはあらかじめチキンライスを詰めておこう。卵が半熟状態に焼けたら、間髪入れずジャーの中へ。 ・POINT 卵の最終仕上げはスープジャーに入れたあとの余熱にお任せ。焼くときは形を一切気にすることなく、ゆるい半熟状に火が通ればいい。 ◆ダブルのソースで旨み炸裂 ラザニア風弁当 シート状の麺の代わりにペンネを使ったラザニア風。ミートソースとホワイトソースが層になり、濃厚でクリーミー。青空の下、ワインでも飲みながら優雅に味わいたい。 ・材料(1人分) ペンネ…35g タマネギ…30g ニンニク…小1片 生クリーム…120ml 粉チーズ…5g スライスチーズ…1枚 塩、黒こしょう…各少々 オリーブオイル…大さじ1強 ミートソース(市販)…80g バゲット(薄切り)…適量 ・作り方 (1)タマネギはみじん切り、ニンニクは包丁の腹で潰す。バゲット2枚はトースターで焼く。ペンネは袋の表示時間どおりにゆでる。 (2)フライパンにオリーブオイル大さじ1、タマネギ、ニンニクを入れ、中火にかけて炒める。香りが立ったら、ペンネ、生クリームを加える。沸いたら、粉チーズ、塩を加え、ゆるいとろみがつくまでヘラで混ぜながら煮る。 (3)ペンネをゆでた湯でミートソースを袋ごと温める。 (4)スープジャーに(2)を入れ、仕切りをつけるようにバゲット2枚をのせ、オリーブオイル少々をふり、スライスチーズをのせる。ミートソースを注いでこしょうをふり、蓋をする。残りのバゲットは持参する。 ペンネはゆるいとろみがつくまで生クリームで煮る。粉チーズを加えるととろみがつきやすい。 ・POINT ペンネとミートソースの層が崩れないよう、あいだにバゲットを挟むのがコツ。車で移動中、スープジャーが転倒しても安心だ。 ◆クスクス入りでボリューミー モロッコ風トマト煮込み弁当 キノコをはじめ、旨みのある具材をたっぷり使用。スープを吸い込んでふかふかになったクスクスに、ガラムマサラの香り。目をつむればモロッコの風景が……。 ・材料(1人分) クスクス…50g 合挽き肉…50g ウインナー…3本 ズッキーニ…80g マイタケ、シメジ…計70g タマネギ…40g ニンニク…小1片 塩、黒こしょう…各適量 トマトジュース…200ml 野菜ジュース…200ml オリーブオイル…大さじ1 ガラムマサラ…適量 作り方 (1)ウインナーは幅1cm、ズッキーニは幅5㎜の輪切りに、タマネギは薄切り、ニンニクはみじん切りにし、キノコ類は手でほぐす。 (2)フライパンにオリーブオイル、挽き肉、ウインナー、ニンニクを入れて中火にかけ、炒める。 肉類に火が通ったら、タマネギ、キノコ類、ズッキーニを順に加え、しんなりするまで炒める。 (3)ジュース2種を加えてひと煮立ちさせ、塩、こしょうで味を調える。火を止めてガラムマサラをふる。 (4)スープジャーにクスクスを入れ、(3)の煮汁を先に注いで軽く混ぜる。具も入れ、蓋をする。 ・POINT キノコやウインナーなど味の出る具材に加え、トマトジュースで旨みをプラス。コンソメの素要らずで本格的な味わいに。 ・namida 下北沢の路地裏にある隠れ家的な一軒。しっとり落ち着く空間で、和食ベースの創意あふれる料理を、日本酒やナチュラルワインとともに楽しめる。 住所:東京都世田谷区北沢2-28-7 エルフェアシティⅡ 1F 営業時間:18:00~ 定休日:不定休 ※構成/安井洋子 撮影/森本真哉 (BE-PAL 2024年11月号より)
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