ザックジャパンがW杯で残した課題と収穫
4年前の初陣でメッシ擁するアルゼンチンを1-0で撃破してから55試合目。思い描いていたよりも少しばかり早く、ザックジャパンはエンディングを迎えた。 ■岡崎「自分たちの力が足りなかった」 決勝トーナメント進出をかけ、勝利が義務づけられたコロンビアとの大一番。浴びせたシュートの数は合計23本。そのうちゴールの枠を捉えたものは13本あった。シュート数で10本、枠内シュート数で4本、コロンビアを上回っている。ところが、最終的なスコアは1-4。完敗だった。日本で唯一のスコアラーである岡崎慎司は「力不足と言えばそれまで。今はそれしか考えつかない。自分たちの力が足りなかった」とうなだれた。 真っ向勝負を挑んだことで、コロンビアとの差がくっきりと見えたゲームだった。唸らされたのは、相手はスタメンを8人も入れ替えてきたのに、チームとしても、選手個々もクオリティが極めて高かったことだ。日本の選手が次々とチェックに行っても、身体の軸がブレないからバランスを崩さない。ドリブルにしても緩急の付け方がうまく、スピードアップした際に雪崩れ込む共通意識は、サブ組中心のチームとは思えないほどだった。 ■大久保「ビッグチャンスはなかった」 守備においても、一見、日本がチャンスを作っているようで、身体をぶつけられて自由を奪われ、シュートコースを巧みに消され、最後のところは閉められていた。大久保嘉人は「シュートは打ったけど、ビッグチャンスはほとんどなかったね」と悔しがった。ゲーム試合運びも老獪だった。2点差以上で勝ちたい日本は前掛かりにならざるを得ず、リードを許した後半はなおさらその傾向が強まった。その際に生まれる隙を、コロンビア見逃してはくれなかった。 ■今野「ずっと圧力を感じていた」 中央へ偏りがちの日本の攻撃をしっかりと食い止めると、マルティネス、ラモス、J・ロドリゲスの3人だけで素早くフィニッシュへと持ち込んでいく。カウンターの精度は恐ろしく高く、「コロンビアの選手たちはみんなスピーディで、一人かわせる力があって、動き出しもいいから、前半からずっと圧力を感じていた」と今野泰幸は振り返った。