ザックジャパンがW杯で残した課題と収穫
■長谷部「前から行こうと話をしていた」 日本にとって数少ない収穫と言えるのは、これまでの2試合と比べ、コロンビア戦ではたしかにファイトし、攻撃的な姿勢を打ち出していたことだ。攻撃では縦パスの意欲が生まれ、今大会初出場の青山敏弘がディフェンスラインの裏にボールを放てば、長谷部誠は鋭い弾道の縦パスを送る。その先に岡崎や大久保が走り込んでいった。「僕らは勝たなければならない状況だったし、勝ちに近づくには『自分たちのサッカー』を出すのが一番の方法だとみんな分かっていた。今日はとにかく前から行こうという話をしていた」と長谷部は言った。 ■遠藤「前回大会で満足した選手はいなかった」 日本の良さを出し、攻撃的なスタイルで戦う――。これは、4年前にザックジャパンが結成されたときから、あるいは、前体制の岡田ジャパンが守備的なスタイルでW杯を戦ったときから、このチームに課せられた宿命だった。遠藤保仁が言う。「前回、ベタ引きして勝ち点を獲って、決勝トーナメントに進んだけれど、あれで満足していた選手は一人もいなかった。日本らしいサッカーというものを考えれば、今回、良いチャレンジだったと思う。もちろん、結果的に敗退しているので原因を探らなければならないし、選手の質、グループとしての質をもう一つ、二つ上げていく必要はある。でも、こういう結果になったからと言ってすべてがダメだったとも思わない。自分たちは4年間、攻撃的なスタイルを貫いて、一歩も二歩も前進したと思っているので、この先、監督が代わるかもしれないけれど、攻撃的でボールを素早く回しながらやっていくのが日本の特長というのは間違ってないと僕は思っています」 大会期間中、長谷部も「この4年間、世界で勝つための、自分たちに合ったサッカーをずっと追求してきて、未来も日本はこのサッカーで戦っていくんだっていうものを、このW杯で自分たちが作り上げたい」という趣旨の言葉を繰り返した。