次世代コロナワクチン「レプリコン」 打ったら“自己増殖”で「周囲に伝播」? 定期接種開始で広がる不安 二木教授が解説
■ピークは8日目 永久に自増殖するわけではない
昭和大学 二木芳人名誉教授:自己増殖は永久に続くわけではありません。 ある程度のところで止まるということは、実験的には確認されています。 マウスにワクチンを接種し、その筋肉内のmRNAの量を調べていますが、接種した直後にいったん減ります。その後じわじわ増えていき、8日目がピークで、あとは下がり、2週間程で検出されなくなります。無制限に増えるわけではありません。 ただし、mRNAの量は、従来のワクチンより多くなり、効果の持続期間も長くなると考えられます。その結果、従来のワクチンは3カ月ほどで予防効果が下がりますが、レプリコンはそれよりは長く効果が持続するのではと言われています。 身体の中でmRNAやスパイクタンパクが大量に増え、抗体(免疫)が過剰に作られることを心配される向きはありますが、仮に抗体(免疫)がたくさん出来ても、特に問題は無いレベルと考えられています。
■周囲の人への感染は考えにくい
昭和大学 二木芳人名誉教授:従来のワクチンも、レプリコンワクチンも、体内のmRNAやスパイクタンパクは、ごく微量ですが、呼気や唾液などを通じて体の外に排出される事も知られています。 今、懸念されているのは、「レプリコンワクチン接種者の体から排出されたmRNAやスパイクタンパクが、周囲の人にシェディング(感染)を生じ、その人たちの健康を損なうのでないか」ということです。 繰り返しになりますが、レプリコンワクチンは、基本的には「mRNA」も「スパイクタンパク」も、これまでのものと同じです。その上で、「増殖」というのが新しい仕組み。 量とか持続時間が違いますから、唾液などに出てくる状況なども、従来のものとは違うかもしれません。 ですが、それが他人に感染するとか、周りの人に害を及ぼすという可能性は極めて低いと思われ、科学的根拠もありません。 また、ワクチン接種によって作られるのは、スパイクタンパクという一部のパーツで、ウィルスそのものではありません。 ですから、スパイクタンパクが増えても、ウィルスが増えるわけではないので、感染が広まる危険性は考えにくいと思います。
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