外壁のサンプルの出来を確認する隈さん（中央）（福井県勝山市で）

　来年4月に開設される福井県立大恐竜学部の学部棟を設計した建築家の隈研吾さんが11日、県立恐竜博物館（勝山市）隣の工事現場を訪れ、地層をイメージした外観工事の 進捗（しんちょく）を確認した。同大によると、学部棟は来年12月末に完成し、学生が2年生となる2026年春から利用される。 【写真】地層をイメージしたしま模様の外壁サンプル（福井県勝山市で）

　学部棟は県が約34億5000万円をかけて整備。外観には恐竜化石が発掘された「手取層群北谷層」の地層をイメージしたしま模様を採用した。コンクリートを型にはめて地層の凹凸を表現した後、水圧をかけて削る2段階の工程で、繊細な地層の重なりが表現できるという。

　この日、隈さんは工事関係者ら約30人と、主に外壁のサンプルの出来を確認。手で触って質感を入念に確かめ、使用するネジの色を担当者に伝えていた。

　6月中旬に着工してから初めて現場を訪れたという隈さんは「外壁で地質らしさが出せるかがこの建物の出来具合のカギ。ほぼイメージ通りで安心した」と評価した。国内初の恐竜学部の学部棟を設計したことについて「建物自体が世界に発信する効果がなければいけないと思って設計した。国内初となる学部棟の設計は初めての経験で、キャリアの集大成だ」と語った。