毎月「社員旅行積立金」が給料から天引きされています。拒否することはできるのでしょうか?
社員へのねぎらいやコミュニケーションを図るために、社員旅行が行われている会社もあるでしょう。その際に、社員旅行へ行くためのお金を毎月の給与から引かれているケースもあるようです。 今回は、社員旅行積立金の内容や、支払いを拒否できるのかについて解説します。
社員旅行積立金とは
社員旅行積立金とは、会社の社員旅行へ行くために、給与からあらかじめ引き落とされるお金のことです。会社側が負担するケースもあるようですが、給与から引き落とされている場合は、基本的に会社との契約書に記載されているはずです。 「社員旅行積立金について何も聞いていない」「知らない間に天引きされている」などの状態であれば、一度会社に問い合わせてみるか、契約書を確認してみましょう。もし、契約書にそのような記載がなく、給料から引かれている場合は労働基準法に違反している可能性があります。
社員旅行積立金の天引きは拒否できる?
労働基準法第二十四条の賃金の支払では、会社からの賃金は全て従業員に支払わなければいけないとされています。しかし、会社との労使協定を結んでいる場合は、賃金の一部を控除して支払いができる旨も記載されているのです。 つまり、賃金の一部控除が社員旅行積立金に当たり、従業員は会社との労使協定にある場合は、支払いの拒否はできない可能性が高いでしょう。この労使協定は、会社と従業員が1人ひとりで締結するのではなく、従業員の過半数で組織された組合または、従業員の過半数を代表する方が契約を行います。 したがって、労使協定を結んでいる場合は、個別で支払いを拒否することは難しいと考えられます。
社員旅行に行かなかった場合は返金してもらえる?
もし社員旅行に参加しなかった場合は、給料から引き落とされている積立金を返金してもらえる可能性があるでしょう。こちらも労働基準法の第十八条に、従業員が返還請求した場合、会社側は遅延なく返金しなければいけないと明記されています。会社との労使協定の内容に、社員旅行積立金の内容や返金条件などが記載されているか確認してみてください。 例えば、もともと参加予定で急きょ参加できなくなってしまった場合などは、キャンセル料がかかるケースもあります。その場合は、労使協定の内容にもよりますが、キャンセル料分を差し引いた金額が返金されることもあるでしょう。 もし、労使協定にいかなる場合でも返金しないという記載があれば、社員旅行に行かなかったとしても返金してもらうのは難しいと考えられます。そのような事態を未然に防ぐためにも、あらかじめ協定内容に目を通しておきましょう。