「徹子の部屋」の裏話 黒柳徹子さんが“ゲストより長く話す”のには理由があった
本人にしかできない話をしてもらう工夫
ただね、もう、ここは飛ばしていいっていうところは、私が説明しちゃって飛ばし、重要なところだけ、お話を伺うようにするときもありますね。 ――拝見していて、たまに黒柳さんがずいぶんとお話しになっているなと。インタビューの質問よりも、長いなということがあるんですけど、それはそういうときなんですか? そうです。そのことを伺っていたら時間内に入らないから、そこは私が言っちゃって。「なぜそのとき、あなたはそうだったんですか?」ということが、一番、話していただきたいことなんですね。 だから、いろいろなプロセスは、私がお話ししちゃったほうが早い。ずっと伺っていると、そこにいかないうちに終わっちゃう。そのための下調べなんで。 ちょっと失礼ですけど、私が話させていただいて。それで一番話してほしい、ご本人じゃなきゃ話せないところ。そこをお話ししていただくっていうふうにしているんですね。 ――そういう大変さはあるけど、でも、やっぱり生放送がいいと? 絶対ですね、それは私、生放送が好きですね。 ――生放送を前提にした収録であっても、ということですね。 ええ、そうです。だからカットしたことは、ほとんど100パーセント近くないです。そのまんま。 編集したくないっていう私の気持ちは、そういうことからだったんですけど、いまになってみると、ゲストの方がほかでは話さないことを「徹子の部屋」では話す、とおっしゃるのは編集しないから。編集しちゃうと局の思惑とか、そういうふうになっちゃうじゃないですか。話したいことを、本当に話させてくれるっていう信頼感ですね。 そういうことがあって、みなさん、ほかでは話さないことを話してくださるんだっていうことがわかったので、編集をしないと決めたことは、よかったなと思いますね。 【黒柳徹子(くろやなぎ・てつこ)】 東京生まれ。東洋音楽学校(現・東京音楽大学)声楽科卒業後、NHK専属のテレビ女優第1号として活躍する。1976年にスタートした「徹子の部屋」(テレビ朝日系列)の放送は、同一司会者によるトーク番組の最多放送回数世界記録を更新中。1981年に刊行された『窓ぎわのトットちゃん』は、国内で800万部、世界で2500万部を超える空前のベストセラーとなっている。2023年には、その続編となる『続 窓ぎわのトットちゃん』が刊行された。1984年からユニセフ親善大使となり、延べ39カ国を訪問し、飢餓、戦争、病気などで苦しむ子どもたちを支える活動を続けている。
黒柳徹子(俳優)