更年期のせいか、最近やる気が出ない…。こんなときは「アドレナリン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」の3つのホルモンを味方に!【40代・50代、知れば知るほどおもしろい!ホルモンの世界⑤】
年齢を重ねるにつれ、やる気や意欲が出なくなって、毎日なんとなくだらだら過ごしてしまいがち…。こんな状態から脱出して、やる気や意欲を取り戻すには、どうしたらいい? そのために知っておきたいのが、アドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンという3つのホルモンを味方につけること。その方法を内科医の工藤孝文さんに伺った。
心身を戦闘モードにさせるホルモン「アドレナリン」
最近、仕事もプライベートも同じことの繰り返しで、なんだかやる気が出なくて意欲が低下…。年齢を重ねると、若い頃のようにさまざまな物事への新鮮味が薄れてくるせいもあるからか、こんな事態に陥っている人も少なくないかもしれない。こんなときに味方につけたいホルモンが、「アドレナリン」なのだそう。 「よく、興奮したときに“アドレナリンが出た”などと言いますよね? アドレナリンとは、興奮、危険、スリルを感じるような状況で、交感神経が優位になったときに副腎で作られ分泌されるホルモンです。心拍数や血圧を上げたり、瞳孔を開いたり、筋肉に血液を送ったりと、体の機能を一時的にパワーアップし、心身を戦闘モードにさせる働きがあります。これによって、運動能力が高まり、脳も覚醒して集中力や判断力が高まるのです。 アドレナリンは緊急時や興奮時に分泌され、ギャンブルにハマったときや、ヒヤリとしたとき、カフェインをとったとき、けんかをしたとき、きつい運動をしたときなど、日常のさまざまな場面で分泌されます。アドレナリンには、一時的に痛みや疲れに対して鎮静効果をもたらす作用もあります。限界を超えて走れたりするのもアドレナリンの作用によるものです。アドレナリンが減ると、やる気が出なくなってしまうので、適度に分泌させることが大切です」
<アドレナリンのおもな働き> ・筋肉の収縮力を高めるなど、身体機能を高める ・血圧や心拍数を上げる ・痛みや疲れを感じにくくする
◆適度なストレスや緊張感を感じることを取り入れて、アドレナリンを分泌させよう では、アドレナリンを適度に分泌させるには? 「ある種のストレス状態や緊張感を自ら作り出すのがポイントです。例えば、レベルの高い目標を立てて挑戦したり、非日常的な環境に身を置くようにするなど、適度なストレスや緊張感を感じることを取り入れてみましょう。筋トレを限界まで頑張ったり、お腹の底から大声を出したり、鼻で素早く10秒呼吸をするといった方法でもアドレナリンを増やすことができます。ただ、ストレスがかかりすぎると心も体もまいってしまうので、あくまでも“適度”が大切です」
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