「若い頃は流行に流されたけど..….」奥田民生が辿り着いた“本当の自分のスタイル”
「⻑く続けて、⻑く楽しむ」奥田⺠生が語る自然体の生き方
「還暦を迎えて何か変わるんですか?」と尋ねると、民生は笑みを浮かべながらこう答えた。 「いや、特に何も変わらないね(笑)。ペースを落とそうかな、なんて思ったこともあったけど、結局はいつも通り。無理せず、自分らしくやっていくしかないんじゃないかな」 今もなお第一線で活躍する先輩ミュージシャンたちが、彼にとっての道しるべのようだ。 「桑田佳祐さんなんて、俺より10歳も上なのにまだまだ元気だしさ。だから、60歳になってもまだまだいけるなって思えるんだ。もしかしたら、70歳になっても同じことを言ってるかもしれないね。結局、自分は変わらないんだって、今はそんな風に思ってるよ」。
⺠生にとって、音楽を続けることは人生そのものだ。シンプルに、無理せず、自分のペースで進む。それが彼の変わらない信念である。 「続ける」という一見当たり前のことが、実は最も難しい。それでも自然体で向き合い続ける――それが、奥田⺠生というアーティストの本質なのだ。 奥田⺠生●1965年、広島生まれ。1987年にロックバンド「UNICORN」のボーカリストとしてデビューし、「すばらしい日々」などのヒット曲で音楽シーンに大きな影響を与える。1994年、シングル「愛のために」でソロ活動をスタートさせ、「イージュー★ライダー」「さすらい」などの代表曲を生み出し、幅広い層の支持を集める。音楽プロデューサーとしても才能を発揮し、PUFFYのプロデュースなどで成功を収める。また、井上陽水とのコラボレーションなど、様々なアーティストとの共演も高く評価されている。自身の音楽レーベル「ラーメンカレーミュージックレコード」を立ち上げ、音楽活動の幅を広げる。独自の活動スタイルとして、バンド形式の「MTR&Y」や弾き語りの「ひとり股旅」、移動式レコーディング企画「トツゲキ! オートモビレ」など、多様なアプローチを展開。リスナーや他のミュージシャンからも愛される存在となっている。2024年10月21日、ソロ活動本格始動から30周年を迎えた。 ⻑田 慶=写真 池田鉄平=取材・文
OCEANS編集部