「若い頃は流行に流されたけど..….」奥田民生が辿り着いた“本当の自分のスタイル”
50代は「最適化」、無理せず大事なことを優先する生き方
50代に入ってから、⺠生は「最適化」という考え方に焦点を当てるようになった。 「50代になると体力が落ちるんだよね(笑)。20代の頃の半分くらいしか持続力がない気がする。でも、その代わり、自分にとって本当に大事なことだけをするようになった。得意なことは自分でやるけど、苦手なことは人に任せるようにしてる。昔は『できません』って言うのが格好悪いと思ってたけど、今はそれが一番賢い選択だと気づいたんだ」。 一方で、仕事に対する姿勢は変わらない。たとえ辛い仕事に直面しても、彼はこう考える。 「仕事なんて、いつも楽しいことばかりじゃない。でも、その中でどう楽しむかを工夫するんだよ。視点を変えれば、少し楽になることだってある。そういう柔軟さが大事なんだよね」。 ここで、⺠生はさらに率直な本音を語る。 「俺、実はよくクヨクヨしてるんだよね(笑)。若い頃からずっとそうで、何かあるとすぐネガティブに考えちゃうし、ちょっとしたことで悩んでしまう。でも、それでいいと思ってるんだ。いくつになっても。失敗も何度もしてきたけど、結局どれも覚えてないし、なんだかんだで何とかなるんだよね」。 ⺠生にとって、失敗して落ち込むことも人生の一部だ。そして、そういうときは無理に立ち直ろうとせず、自然に任せることが大切だと語る。 「結局、悩んだ時間だって無駄にはなってないと思うよ。何かしらの学びになってるんだろうからさ。だから、そこも焦らずにやっていくのが一番だと思うんだよね」。
「若い頃は流行に流されたけど..….」⺠生が今辿り着いた“自分のスタイル”
「デジタル化やAIの進化って、本当に便利だよね。昔みたいに仕事が面倒くさくなくなって、効率も良くなった。でもさ、便利すぎてみんな同じところに行き着いちゃうんじゃないかって、ちょっと心配なんだよね(笑)」。 技術の進化によって、誰もが簡単に良い音を作れる時代。そんな中でも、⺠生は「個性が失われるリスク」に目を向けている。 「昔はさ、自分の音をどうやって出すか、必死で工夫してたんだよね。ああでもない、こうでもないって苦労した分、そこに個性が生まれてたんだけど、今はその苦労が省けちゃってる分、逆に個性が薄れるんじゃないかって思う。でもまあ、若い子たちもきっと自分なりに工夫してるだろうから、心配しすぎることもないかな」。 「自分らしさ」について、⺠生はこう語る。 「結局、俺は俺の仕事しかできないんだよ。若い頃は流行に流されたり、他人と比べて悩んだりしたこともあったけど、今はもうそういうことは気にしなくなった。自分のやり方で続けてきたからこそ、今も音楽で食べていけてるんだと思う。 『自分のスタイルで、そこそこやれればいい』って思うのが一番楽だし、続けられる秘訣だね。声や外見も変えられない部分はあるけど、それが俺なんだと自然に受け入れられるようになったよ」。 ⺠生にとって「自分らしさ」は、無理に作り出すものではなく、続ける中で自然に形作られていくものだ。 「周りが『これが⺠生っぽい』って言い始めた頃、それが俺の自分らしさってことなんだろうね」。