「白バイは自分で整備!」「パトカーも管理!?」元警察官が語る白バイのメンテナンス事情
管理するのは自分の車両だけじゃない
大事なパートナーである車両は一般的な業務、すなわち交通取締りやパトロールに使用されるわけですが、こういった車両のほかに、公道を走らない訓練用の車両もあります。それら訓練用の白バイは、基本的に新隊員(1年目の白バイ隊員)が管理します。 訓練後は必ず洗車するのですが、小隊長や先輩方のなかには、「自分のもやっといて」という先輩がいたり、「俺の車両には一切触れるな」という先輩もいたりするので、誰がどんなタイプなのか把握しておくのも仕事のうちでした。 前述したように、私は洗車やワックスがけは好きでした。オートバイに関心のない方からすると、「バイクも洗車するの⁉」といった感じかもしれませんね。私も自分で所有するまでは、バイクを洗車するという概念がなかったような記憶があるぐらいでした。 でも実際、自分で所有して管理してみると、日に日に愛着が湧いてくるのを感じましたね。洗車やワックスがけをすることで、感謝の気持ちが伝わっているようで、そういったメンテナンスを楽しみながらできるようになっていったのかもしれないと、今は思います。
二輪車のみならず四輪車もメンテナンス
白バイ隊員は白バイだけを管理・整備していると思われがちですが、じつはパトカーのメンテナンスも行っています。白バイ隊員は交通機動隊に属しており、雨の日や夜間は、通常のパトカーや覆面パトカーに乗って交通取締りを行っているからです。パトカーの整備も業務の一部なのです。
白バイならではの整備はあまりない
私が現役だった2010年代、沖縄県警における白バイはホンダCB750やCBX750、CB800、スズキのGSF1200Pが主流でした。2020年からは、警視庁でBMW車も導入されており、うらやましい限りです。余談になりますが、将来的にそうなることがわかっていたら、警視庁管轄の白バイ隊員を目指していたかもしれません(笑)。 みなさんもご存知のように、白バイと一般車両の大きな違いはサイレンや赤色灯、スピーカー、速度計測器の搭載です。そのため、車両の整備を行うときは、それらが正常に作動するか、といったことも確認しなければなりません。この点を除くと、車両の整備を行ううえで、一般車両と大きく異なるところはないといえます。 白バイはもちろん、一般車両であっても、路上を走行している際の故障や破損はあってはならないこと。大きな事故を招きかねません。そのために日頃の整備を怠らず、メンテナンス自体も楽しんで、ご自分の愛車を大切にしてくださいね。
────────── ●文:ヤングマシン編集部(宅島奈津子/元白バイ警官ライター/親子関係改善コンサルタント) ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。
ヤングマシン編集部