日本代表DF、森重が誓う“第3の男からの脱却”
東アジアカップでは、中国戦と韓国戦で先発フル出場。大会得点王のFW柿谷曜一朗、同MVPのMF山口螢(ともにセレッソ大阪)とともに8月のウルグアイ戦以降のすべての代表戦に招集されてきた実績が、森重がアルベルト・ザッケローニ監督の眼鏡にかなったことを物語っている。 もっとも、ウルグアイ戦から先発でチャンスを与えられ続けた柿谷とは対照的に、森重が前半のキックオフからピッチに立ったのは、9月6日のグアテマラ戦の一回だけ。だからこそ、年内最後となった11月19日のベルギー戦には心中期するものがあった。 ザッケローニ監督は11人の名前を読み上げるのではなく、スクリーンにGKから順に名前を映し出していく形で先発メンバーを発表する。ベルギー戦を控えたミーティング。先発出場を念じ続けていた森重は、実際に自分の名前を確認した瞬間に決意を新たにしている。 「結果を残したい気持ちはありましたけれど、そればかりになるとベルギー戦の意味がなくなってしまう。最初から相手を怖がって、セーフティーファーストでプレーしてもそう。どれだけやられようが、どれだけ抜かれようが、どれだけミスをしようが、とにかく自分のやるべきこと、やりたいことを表現しようと」 193cm、94kgのボディに規格外の身体能力を搭載する相手FWロメル・ルカク(エバートン)との1対1に臆することなく挑み、ビルドアップのパスにも勇気を持ってチャレンジする。森重はどれだけできるのか。周囲から寄せられる好奇の目も、あえてプレッシャーに変えた。 FIFAランク5位のベルギーから上げた3対2の逆転勝利を、いまではこう振り返る。 「自分の中ではある程度の満足感というものがあります。ベルギーに通用したという満足感ではなく、自分がやるべきことをしっかりと出し切ったという満足感ですね。ルカクは確かにスペースを与えると速くて、フィジカルも強い選手でしたけれど、特に驚かされたというか、これはかなわない、これはすごいとは思いませんでした」