日本代表DF、森重が誓う“第3の男からの脱却”
4年に一度のW杯イヤーへ向けて新たなエネルギーを充電するオフを間近に控えて、日本代表DF、森重真人(FC東京)はサッカーをより深く知り、自分の引き出しを増やすためのプランを練っている。 【画像】元日本代表水沼氏「カギを握るのは初戦のアフリカ勢」
Jリーグを含め、あらゆるカテゴリーのサッカーの試合を見る。いろいろな人と話をして見聞を深める。サッカーものに限らず、幅広いジャンルの本を読む。 特に読書に関しては、すでにピックアップしている一冊がある。文壇の大御所、小説家の浅田次郎が週刊誌上で連載していたコラムをまとめ、この秋に集英社から書籍化された『世の中それほど不公平じゃない 最初で最後の人生相談』だ。 「知り合いが読んでいて、その題名がポンと自分の中に入り込んできて、思わず惹かれてしまいました(笑)。大人になってから、世の中って不公平だなといろいろ考えることがあったので」 意外な組み合わせと言っては森重に失礼だろうか。ともあれ、まだ26歳という若さで、人生に対してどれほどの「不公平感」を募らせてきたのだろうか。 「いやいや、それは人に言えるようなことではないのでちょっと」 苦笑いしながら質問をかわした森重だが、ここまでの歩みを振り返ってみると何となく察しがつく。 広島皆実高から大分トリニータに加入して2年目の2007年から頭角を現し、同年のU‐20W杯、翌年の北京五輪に出場。2009年には岡田武史前監督率いる日本代表にも招集された。 順風満帆だったサッカー人生は、しかし、2009年にトリニータ、2010年には移籍したFC東京で2度のJ2降格という悪夢を味わったことで“一時停止”を余儀なくされる。 不用意なファウルを繰り返しての退場や出場停止が、図らずもクローズアップされた時期もあった。日本代表から遠ざかっている間に、北京五輪でともに戦った本田圭佑、香川真司、岡崎慎司、長友佑都、内田篤人らが戦いの場を次々とヨーロッパへ移していった。