なぜ高木菜那は“呪われたコーナー”で転倒の悪夢を繰り返してしまったのか…左足に蓄積した疲労とブレードに異変発生の可能性
7日の1500mは同走の中国選手に進路を阻まれ、失速する不運もあって8位だった。連覇がかかった15日の団体パシュート決勝では、前述したようにゴール直前で転倒して涙に暮れた。それでも誰も自分のミスを責めず、普段とまったく変わりなく接してくれた3日間で、最後のマススタートに臨む勇気をもらった。 すべての経験が、高木をして「心に残るオリンピック」と感じさせた。そして、涙とは無縁だった瞳は、今後に待つ未来へと向けられている。 「このつらい経験を自分のなかで消化できたときに、これからの自分の糧になっていくと自分のなかでしっかり思いながら歩んでいきたい」 戦いはまだ終わらない。3月3日からノルウェー・ハーマルで世界スピードスケート選手権が、同12日からはオランダ・へーレーンフェーンでワールドカップファイナルが開催される。特に後者は2014年6月から2年間拠点として、飛躍へのきっかけを与えてくれた思い出の国。シーズンの集大成を誓う舞台へ、高木は再び心技体を高めていく。