目的地を外す、日時・時間帯を外す、人混みを外す……「はずし旅」の効用
海外からの観光客が記録的に増加していることもあって、全国の観光地は混雑している所が増えています。飲食店に行列ができているうえにホテルも大幅な値上り傾向で、オサイフには優しくありません。 そんな今だからこそおすすめしたいのが「はずし旅」です。目的地を外す、日時・時間帯を外す、人混みを外す。それが「はずし旅」。私もすっかりこの旅スタイルにはまっています。 先日も大分県の由布院に行った際、名所の金鱗湖などは外国人を中心に大混雑していました。そこで地元の観光協会で紹介された宇奈岐日女(うなぎひめ)神社へ行ってみると、想像以上に美しく、歴史を感じた。しかも誰もいない。ゆっくり拝観し、清々しい気持ちになったところで境内を出ると目の前に小さな茶房が。お母さんと息子さんが温かく迎えてくださり、大分の郷土料理「やせうま」や自家製だという紫蘇(しそ)ジュースをいただき、くつろいだ時間を過ごし、旅の思い出を心に刻みました。金鱗湖は日帰りの観光客が帰った静かな夕方に行き、こちらも満喫。これぞ「はずし旅」の真骨頂です。 「はずし旅」のコツは「ネット検索」と「歩く」こと。 人気の観光名所の中には時間帯やイベントなどにより、割引料金や無料で入場でる所があります。例えば金沢市の兼六園は、通年で無料の早朝開園を行っています。また、「国際博物館の日」の5月18日には、国内各地で多くの博物館・美術館が常設展を無料公開しています。検索する手間を惜しまずに探してみると、思いがけないお得な情報が見つかるものです。 歩くのも「はずし旅」の極意です。バスや電車が混んでいたら目的地まで歩く。ここでもネット検索が役立ちます。ルートや所要時間が分かるのでそれを目安にして、「この距離なら歩けそう」と思ったら実行あるのみです。途中で面白そうな路地などがあれば寄り道も。ステキな喫茶店や美しい風景と出合うご褒美があるかもしれません。 食事も昼の混雑時を避ければ人気店でも待たずに入れることが少なくありません。夕食も早めが吉。ファミリーレストランや飲食店では、「ハッピーアワー」「ちょい飲み」などと称してビールを半額にしたり、お得なセットを用意したりといったサービスを行っている所もあるので、積極的に利用したいものです。