【比べるBMW】「i」が消える時、新たな時代が始まった。新型1シリーズとX3から見たBMWの現在地
1シリーズとX3のどちらも足の完成度に進化を感じる
X3はワールドワイドに目を向けてみると2023年にもっとも売れたモデルとなり、その数は35万台以上である。BMWブランドの販売台数が225万台余ということは、全体の約16%を占めるわけだからして、絶対にコケられない基幹車種ということになる。 先代から引き継がれた大きな使命を背負って登場したのが四代目となるG45型X3である。車台は先代のG01型で用いられCLARを継続採用、ホイールベースも同等という一方でトレッドは23 mm拡大となり、そのワイドスタンスは見た目だけではなく運動性能の側にも影響をもたらしている。 ただし日本の道路事情を鑑みれば、1900mmを超える全幅が購入時のハードルとなることもあるかもしれない。 搭載されるパワートレーンは2L直4ガソリンターボの20、2L直4ディーゼルターボの20d、2L直4ガソリンターボをベースとしたPHEVの30e、そして3L直6ガソリンツインターボのMパフォーマンスモデル、M50となる。ガソリンエンジンからiの識別子が消えたのは、BEVモデルへの移譲の意もあるのだろう。 しかし、iX3についてはEV専用プラットフォームを用いた「ノイエクラッセX」の発売を25年以降に控え、その車格がX3に近いこともあるため、現状での設定は考えられていないという。 内外装から感じられるのはiXやXMなど先進技術を携えた前衛的なSUVのエッセンスがフィードバックされ始めていることだ。これは内装の側により顕著で、座面縁部の感触が丸いシートの座り心地や、ユニークなハンドル形状などはその影響をはっきりと感じさせる。 加えて、7シリーズや5シリーズに採用されたインタラクションバーを採用、ドライブモードの設定やADASの応答などに合わせて多様な光の演出が加わるだけでなく、平時はセンターコンソールやドアノブ回りのオーナメントとも連動して車内を彩る仕掛けとなっている。基幹車種としてはかなり攻めた仕上げだなというのが偽らざる印象だ。