采配ズバリの開成が3-0で都立向丘に完封勝利
第103回全国高校サッカー選手権東京予選の1次予選1回戦が25日、都内各会場で行われ、開成と都立向丘が対戦。結果は開成が3-0で完封勝利し、2回戦に駒を進めた。 【フォトギャラリー】開成 vs 都立向丘 後ろからボールをつなぎ、相手を押し込む開成は前半13分、CKからDF3荒井瑛仁(2年)が頭でねじ込み、首尾よく先制。その後、開成は右サイドMF9杉山士恩(2年)のドリブル突破を起点に攻撃を展開した。 一方、都立向丘はDF8渡部真優(1年)、DF18佐々木朱理(2年)の両センターバックを中心に迎撃。しかし、跳ね返したボールの多くが開成に拾われ、二次、三次攻撃に遭い、なかなか攻撃につなげられなかった。時折、訪れるカウンターの好機も芽を積まれ、苦慮する展開に。状況を打開すべく都立向丘は後半、終盤にかけ、交代カードを切り、スクランブル態勢へ。さらにベンチからは「全勝負!!」とドリブルを仕掛けていくように指示が出された。フレッシュな選手を投入し、総がかりとなる都立向丘。 これが開成の狙いだったのか、後半39分には右サイドDF5高橋伊織(2年)からのパスに替わったばかりのMF16 小林柚(1年)が決め、追加点。44分にも途中起用のFW22 佐藤壮馬(2年)が3点目を挙げ、勝利を決定づけた。 勝った開成の菅佑也監督は「与えられたタスクをやってくれる選手が多いなか、一生懸命、ピッチでやってくれたのが大きかったです。暑さもあるので、できるだけ、自分たちでコントロールできる時間を増やしたかったので、その点もよく表現してくれました」と総括。また「タイミングが難しかった」と明かした交代は投入した選手が試合を決めるなど、采配ズバリとなった。 試合を通じ、機能した攻守両面について「攻撃ではできるだけ良い状態の選手を優先して起用しようと考えながら、シュートの回数を増やせるようにパスを受けたらゴール前に動くことを強調しました。なるべくシュートで完結させるように声をかけました。守備は相手のやり方に対して、配置をどうするのか、相手がロングボールを使ったときには、ラインをどうするのかなど、この夏にやってきたことをやってくれました」とイレブンを評価した。 そのなか、菅監督が「高さのある守備ができ、今回のような堅い試合ではセットプレーが大事なのでよく決めてくれました」と称えたのが先制点を決めたDF3荒井。セットプレーは日頃から練習をしてきたが、以前の試合では同じような状況のなか、決められなかったとのこと。それだけに喜びもひとしお。またDF3 荒井は「キッカーが良いので」とアシストしたMF9 杉山とともにもうひとりのキッカー、MF6 山本一蹉(2年)の存在の大きさを語った。 当たり前のことを当たり前に実践する、愚直なサッカー。他チームが開成をして「頑張ってくるチーム」と評するのもうなずけた。 (文・写真=佐藤亮太)