アサド政権崩壊後の復興には「日本の技術支援も必要」シリア新政権の“キーマン”バハラ議長「銃による支配を終え、民主主義のルールに基づく未来へ」
欧米には経済制裁の解除を求める 各国は新政権を見極める動きも
「シリア国民連合」のバハラ議長に今後の課題を聞くと、高い貧困率の原因のひとつになっている欧米からの経済制裁の解除をあげた。 「私たちはアメリカと欧州が科している制裁ができるだけ早く解除されることを期待している。しかしシリアが安定するのか、国連安保理決議に従って政権が樹立するのか、確認できるのを待っている国もある。そのためにも政権は透明性と説明責任に関して国際基準を満たすものでなければならない。制裁を解除する動きが始まるまでには2~3カ月かかるかもしれない」 バハラ議長は、早期の制裁解除に期待を抱きつつも、民主的な政権樹立が先になるとの見解を示した。
日本には復興に向けて技術訓練や投資をしてほしい
最後にバハラ議長に日本に期待することを聞いた。 「日本はこれまで14年間、人道的な分野でシリアの支援してくれているし、シリア復興のためのシリア復興信託基金に加入している。日本に期待するのは基金へのより大きな貢献と、今後はシリアの人々への技術訓練をしてもらえることを望んでいる」 50年以上の圧政からようやく解放されたシリア国民。ポイントとなるのは、2025年3月に樹立する新政権だ。二度と同じ過ちが繰り返されぬよう様々な宗教、宗派が協力し合い、協調していくことを願うばかりである。 (FNNイスタンブール支局長 加藤崇)
加藤崇
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