コモは「大袈裟に反応されたことに失望」と発表

ファン・ヒチャンへの発言が物議を醸している。(C)Getty Images

　また韓国人選手に対する人種差別騒動が起きてしまった。 「韓国人選手の人種差別被害が続く」と見出しを打った韓国メディア『Xpors News』の記事によれば、問題が起きたのは、７月16日に開催されたプレミアリーグのウォルバーハンプトンとセリエAのコモのプレシーズンマッチだった。 【PHOTO】“世界一美しいフットボーラー”に認定されたクロアチア女子代表FW、マルコビッチの厳選ショットを一挙お届け！ 　ウォルバーハンプトンの韓国代表FWファン・ヒチャンが試合中に「あいつはジャッキー・チェン」と人種差別的な言葉を浴びせられ、これに激怒した同僚のダニエウ・ポデンセがその選手を殴り、退場になったという。 　ガリー・オニール監督は試合後、「チャニー（ファン・ヒチャンの愛称）への人種差別的な発言を聞いて本当に残念だった」と語っている。 　これを受けて、コモは次のように声明を発表した。 「我々は人種差別を容認しない。我々はあらゆる種類の人種差別を可能な限り強く非難する。問題の選手と話をした。彼は、同僚のDFに『彼（ファン・ヒチャン）を無視しろ。彼は自分がジャッキー・チェンだと思っている』と言った。これは『チャニー』を指していると確信している。彼はピッチ上で、チームメイトから常にそう呼ばれていた。我々の選手は侮辱的な話し方をしなかった。ウォルバーハンプトンの選手が大袈裟に反応したことに失望している」 　一方、ウルブス側も「人種差別やいかなる種類の差別も全く容認できないものであり、決して異議を唱えるべきではない。クラブはこの事件に関してUEFAに正式な苦情を提出する予定だ」と糾弾している。 　先日は、韓国代表の主将ソン・フンミンについて、トッテナムの同僚であるロドリゴ・ベンタンクールがテレビ番組で「同じ顔に見える」と人種差別的な発言をして猛バッシングを受け、謝罪をする事態が起きた。 『Xpors News』は「サッカー界は試合の内外で起こる人種差別を防ぐために人種差別反対キャンペーンを行なって選手たちに教育するなど努力しているが根絶されていない。特にソン・フンミンとファン・ヒチャンの人種差別事件の場合には、一緒にプレーをした選手たちがしたという点で衝撃を抱いている」と非難した。 　また、韓国メディア『OSEN』もコモの声明について、「人種差別ではないと？衝撃の対応だ」と怒りを露わにしている。 構成●サッカーダイジェストWeb編集部