「IP・グッズ」「ペット」「シルバーエコノミー」⋯2024年の中国トレンドを知る5つのキーワード【年末特集】
シルバーエコノミー
1話あたりの尺が数分で何十話~何百話と続くショートドラマの人気が若者から中高年へとシフトした。中年女性が金持ち男性とばったり出会い恋に落ち、また中年の人々が直面する子供の教育、家族の再会、結婚と恋愛、キャリア闘争などを描くストーリーが中高年の視聴者に刺さり、利用者を増やした。ネットリテラシーが低く利用費をどんどん落としてくれることから、少額の製作費で大きく稼げると多くの業者が参入した。ショートドラマの他、デジタル系では故人をAIを使って「デジタル蘇生」や、生成AIで作られた非実在の美女がショートムービーに登場し商品を販売するといったサービスが登場。デジタルテクノロジーが新鮮に見える中高年には刺さったサービスだった。 ちなみにショートドラマは海外でもまさに受け入れられている段階で、欧米中心のショートドラマアプリ「ReelShort」は、一時期は1日あたりのダウンロード数でTikTokやNetflixをしのぐ勢いだ。リリース元の「中文在線集団(COL Group)」は、日本向けに「UniReel」をリリースしている。 一方でオフラインでは、少子高齢化から幼稚園の空き部屋を老人向けサービスに回し、幼稚園の先生が老人介護施設に転職するといった動きや、教育機関の経営が成り立たなくなり教育業界志望の若者が高齢者向けカルチャースクール「老年大学」でスマホの各種アプリの使い方やダンスなどを教え活路を見出すといった動きがみられた。さらに在宅向けの老人介護ソリューションや製品も増えている。
ペットビジネス
高齢化や一人暮らしの若者の増加を背景に、中国で飼われているペット数が2億匹を超えた。。ペット関連の支出が増える中、ペット用スマート機器やペット同伴可能な店舗・サービスが増加。 可愛いペットを飼ったら見せたくなるもので、ライブコマースで配信される「名物犬・名物猫」が続々登場。動物が主役の動画が話題を呼んだほか、ペットの飼育で直面する問題の学術的な解説動画が受け入れられ、ひいては配信アカウントが販売する商品が視聴者に売れるビジネスへと転化した。 ペット商品に携わる企業は増え、販売の舞台は中国から世界へ。ペット向け繊維用品の「FunnyFuzzy」をはじめ、ペット用洗濯機やペットの自動餌やり機など、中国発のペット製品ブランドが世界進出を果たすなど、市場の拡大が続いている。