「IP・グッズ」「ペット」「シルバーエコノミー」⋯2024年の中国トレンドを知る5つのキーワード【年末特集】
IP・グッズ
2024年はIP(知的財産)を活用したグッズが引き続き注目を集めた。特に日本発のIPが人気を博し、前半ではちいかわが話題に。雑貨チェーン「メイソウ(名創優品)」での関連グッズ販売や、主要都市でのポップアップストア開催が盛況だった。オンラインでは、ダブルイレブンセール(双11)ではちいかわオフィシャルショップが上位にランクインし、人気SNSの小紅書(RED)やや抖音(Douyin)では多関連コンテンツが数十億単位で再生されるなど、オンラインオフライン共に大きな反響を呼んだ。 後半では日本や中国のゲームやアニメのキャラクターグッズビジネスの話が多かった。モールへの集客手段として、グッズショップ「潮玩星球」「GOODSLOVE」「三月獣」などが一気に店舗を増やし、書店もグッズフロアを新設。これらの店舗は、IP関連株価の上昇をもたらすほどの影響力を発揮した。 購入するのは学生がメインで、男性だけでなく女性向けの恋愛要素の入ったいわゆる「乙女ゲーム」のIPも充実していることから女性客も多い。日本のショップから買い付けた商品は店の看板商品になり、日本の商品が中心の蔦屋書店はオープン時には話題になった。 一方で、中国のグッズショップで扱われる商品はゲームやアニメがベースでどこへいっても取り扱い商品はそう変わらず、新しいIPの商品は出しにくく、在庫が更新できない問題がある。過去の漢服ブームのように市場崩壊のリスクを懸念する声もある。 新規IPでは西遊記の世界観がベースの大作ゲーム「黒神話:悟空」が話題を呼んだほか、乙女ゲームも台頭した。特に後者はゲームだけでなく、グッズや他ブランドとのコラボ商品でファンがお金を落とし続けている(この辺は先行する原神にも言える)。このことから魅力あるIPで、グッズ販売も視野に入れたゲーム開発が進むようになった。他方でIPコラボが多すぎて消費者にはありがたみがなくなりつつあるという反面も。