北朝鮮のICBM発射、日米英など多くの国が安保理決議違反と非難…中露は北朝鮮を擁護
国連安全保障理事会は4日、北朝鮮が先月末に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を発射したことを受けて会合を開き、対応を協議した。日米英など多くの理事国が発射は安保理決議違反だと非難したが、ロシアと中国は北朝鮮を擁護し、朝鮮半島周辺での米国の軍事活動が緊張を高めていると主張し、一致した対応をとれなかった。
会合で米国のロバート・ウッド国連代理大使は、今回のICBMを含めて北朝鮮が2022年以降、「100発以上の弾道ミサイルを発射した」と指摘し、「世界の平和と安全を損なう試みだ。容認できない」と非難した。北朝鮮がロシアに武器を供与し、派兵していることを踏まえ、「ロシアも同様に安保理決議に違反している」と指弾した。
日本の山崎和之国連大使は「北朝鮮が非合法な核・ミサイル開発を続け、安保理決議に違反し続けているのは事実だ。安保理が団結して強力な対応を取るべきだ」と呼びかけた。
これに対し、中国の傅聡(フーツォン)国連大使は、米国が提供する「核の傘」を柱とする「拡大抑止」に触れ、「米国が北朝鮮への脅威を拡大させていることが原因だ」と述べた。北朝鮮の金星(キムソン)国連大使は、「米国による軍事的挑発こそが平和と安全を損なう行為だ。ICBMの発射は自衛のための正当かつ合法的な権利の行使だ」と主張した。(ニューヨーク支局 金子靖志)