産経新聞の加藤前ソウル支局長が会見(全文1)朴政権の最大のタブーと感じた
朴氏は最後の最後まで当事者として主体的な発言や行動を見せなかった
現在、朴槿恵政権は、朴槿恵氏の親友とその家族らによる深刻な国政の私物化に対する事件で、検察の捜査を受けようとしています。この状況に至った根本的な原因は、朴槿恵氏の特有の世界観によるもので、それは私が韓国で朴槿恵大統領について見て感じてきたことと本質的に同じであると現在思っています。もう少し分かりやすく言うと、産経コラム問題で朴槿恵氏は自分自身の言論の自由に関する認識を問われながら、ついに最後の最後まで当事者として主体的な発言や行動を見せなかったこと。それと今回の朴槿恵氏をめぐって起きている事件の背景、これが同じだといえるということです。 私は2014年の8月に書いたコラムで朴槿恵政権の激しい怒りを買ったといわれています。そして今起きている事件では朴槿恵氏の親友である、崔順実容疑者、そしてその娘、そして崔順実容疑者の父親である崔太敏氏ですね。こうした人々の名前が取り沙汰されているわけです。 私が書いたコラムには崔順実氏は出てこない代わりに、その夫である鄭允会氏の名前が出てきます。検察では取り調べの中で加藤容疑者、私のことを検察はそう呼んだわけですが、加藤容疑者は崔太敏氏や鄭允会氏、そして朴大統領を取り巻くさまざまな人脈についてどのような根拠、どのような取材をもとにして書いたのか、そうした資料があるのなら提出するように迫られました。そしてその背景となる人間関係を書いたのはなぜなのか。そして取材源は誰か。韓国の左派系のネットメディアと加藤容疑者は共謀して、悪意を持って朴槿恵氏の人間関係を暴き、描こうとしたのではないか、そういった形の追及がなされたのです。 通訳:続けてください。 加藤:そのとき私はこれが朴槿恵大統領の、朴槿恵政権の最大のタブーであると、そう認識をいたしました。今となって考えてみますと、その後さらに追跡取材をして全容を解明、少しでも迫れば良かったなとこのように考えているわけなんですが、その後、検察の調べであるとか、裁判への出頭、対応によって時間が忙殺されることもありまして、なかなか独自の続報取材を続けることが困難になってしまいました。その点については大変、今も後悔をしているところであります。冒頭発言は以上です。ご清聴ありがとうございました。 司会:(英語)※判別できず。