「濃すぎる1年ですね」2回連続代表“追加招集”の男・関根大輝は重圧のたびに成長する…目標「プレミア、CL、W杯」へ「全てを出し切ります」
「レイソルに1年前倒しで入るしかない」
欧州遠征から3カ月後、大学生中心のメンバーで臨んだアジア競技大会では韓国代表との決勝戦に1-2で敗れた。イ・ガンインも加わったU-24代表で臨んだ韓国に対して健闘したとも言える。しかし基準を既に上のレベルに置いていた関根の心は失意に溢れた。 「韓国戦は何もできなかったという思いしかありません。オリンピックに出ることを本気で考えるなら、レイソルに1年前倒しで入るしかないと思ったんです。拓殖大の玉井(朗)監督はじめコーチ、部長、スタッフ、みなさんに快く送り出してもらって。真剣に取り組んでオリンピックのメンバーに入って、活躍して恩返しじゃないですけど、感謝の気持ちを伝えたいという思いが強くなりました」 へこむ時間なんてもったいない。うまくいかなかったら切り替えて、目標に向かって真剣にやっていくだけ。1年早くレイソルに加入すると、キャンプから全身全霊でぶつかって開幕レギュラーの座を射止める。試合で課題が分かったら、すぐに修正して次に向かうその繰り返し。レイソルでも、そしてU-23代表でも欠かせない存在となっていく。 「何かあっても引きずらないですね。逆にもっとやんなきゃっていう気持ちのほうが出てきます。休んでいる暇なんてないし、オフの日でもじっとしていられないタイプなんで」 レイソルのクラブハウスまでは自転車通勤。先日ようやく自動車免許を取得したばかりだそうで、空いた時間があれば欧州サッカーを見ては何かヒントを得ようとする。
アーセナルのベン・ホワイトみたいに
「特にプレミアが好きで、やっぱりサイドバックを見ます。アーセナルのベン・ホワイトは背丈も似ているし、プレーも自分を重ねやすい。まったく派手じゃないんですけど、着実にサイドバックのタスクをこなしながら、上がるときはちゃんと上がるみたいな。凄く参考になっています」 現在大学4年生だが、既に卒業に必要な単位も取得済み。いやはや、頭のなかはサッカーばかりだ。 飛躍を遂げるターニングポイントの1年になろうとしている2024年。レイソル加入の1年前倒しとレギュラー定着、U-23アジアカップ、目標としていたパリオリンピックでの活躍、そして「びっくりした」A代表入り……しっかりと締めくくる意味でもレイソルのJ1残留は果たすべき己のミッションになる。 「レイソルのことで言えば自分のすべてを出して、残留を決めたいと思っています。A代表で学んできたいろいろなものをJリーグの戦いのなかで出していかなきゃいけない。守備はもちろんのこと攻撃でもアシストとかしてしっかり貢献していきたい。 2024年はまだ終わってないですけど、濃すぎてあっという間の1年であることは間違いない。課題がいっぱいあるなかで、逆にここまで来られてるってことはもっと上まで行けるということ。近い将来、目標にしていたプレミアリーグでプレーしたいし、欧州CLにも出たいし、そしてワールドカップもあります。本気で向かっていけば必ず到達できるはずだ、と。2024年がこれだけ濃かったら、来年ってどうなっているんですかね(笑)。取り組み次第では、今年A代表まで行けたように、今はまだ想像できないところまで行けるんじゃないかって楽しみにしているし、そのためにも今、全部出し切ることをやっていきたいと思っています」 一つひとつの言葉に力がある。 大きく輝くための大冒険は、まだ序章に過ぎない。
(「サムライブルーの原材料」二宮寿朗 = 文)
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