【Q&A】3回目の「緊急事態宣言」 延長で何が変わる?
新型コロナウイルス感染症対策として首相が発出する「緊急事態宣言」。昨年4月、今年1月に続き、4月25日に出された3回目の宣言が5月末まで延長されることになりました。ニュースでよく耳にする緊急事態宣言ですが、そもそも今回はどのような内容なのでしょうか。また、その対策によって私たちの生活はどう変わるのでしょうか。過去2回の宣言での対策を振り返りながら見てみましょう。 【図表】新設された「まん延防止等重点措置」と「緊急事態宣言」の違いは?
Q:そもそも政府の「緊急事態宣言」って?
新型コロナウイルス対策の特別措置法(特措法)に基づく宣言です。 発出するには(1)国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れがある(2)全国的かつ急速なまん延により国民生活・国民経済に甚大な影響を及ぼす、あるいはその恐れがある――の2要素が認められる必要があります。
Q:対象地域はどこ? どう決まるの?
政府は緊急事態宣言を発出する際に、(1)期間(2)区域(3)緊急事態の概要をそれぞれ示す必要があります。宣言の期間や具体的な対策は「基本的対処方針」という文書に記し、各都道府県はそれを踏まえて対策を取ります。宣言の発出や内容を変更をするには、専門家らで構成する政府の「基本的対処方針分科会」(会長:尾身茂氏)に諮って意見を聞く手続きが必要です。 3回目となる今回の宣言は当初、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県を対象に、4月25日から5月11日までの17日間で設定されていました。しかし全国的な感染拡大に歯止めがかからない状況を受け、期間が5月31日までに延長され、対象地域も愛知、福岡の2県が加えられました。
Q:宣言の延長でどんな対策が取られるの?
延長された緊急事態宣言では、引き続き人と人との接触機会を減らし、人流を抑制する観点から、 ▽酒類やカラオケを提供する飲食店に対して休業要請(それ以外の飲食店は午後8時までの営業時間短縮を要請) ▽百貨店など床面積が計1000平方メートルを超える大型商業施設に対して午後8時までの営業時間短縮を要請 ▽スポーツなど大規模イベントは上限5000人か収容率50%以下の少ない方の人数で開催要請 ▽テレワーク活用で出勤者数の7割削減を目指し、事業者に実施状況の公表を求める などの対策が盛り込まれています。