新幹線の自由席乗車率が繁忙期で200%に迫っても、経営効率が下がるナゾ
JR東日本の「えきねっとトクだ値」、JR西日本の「スーパー早得きっぷ」、JR九州の「ネット早得7」は、制約のなかでも、需要予測にもとづいて一部の座席を割引販売している。 JR東日本は「トクだ値」について、「三大繁忙期に混雑するピーク期間を避けて利用してもらう目的で、日付や列車を限定して『トクだ値』の設定座席数を増やし、利用の平準化に取り組んでいる」と語るが、やはり効果は限定的といわざるを得ない。 そのなかで最繁忙期に200円値上げすることができたのは、新幹線の自由席特急料金は運賃の一部とみなされ認可対象だが、設備の対価である「座席指定料金」は届出で変更可能だったからだ。 200円では「ダイナミック」に程遠いが、現時点では制度上の制約からこれが限度だった。 JR東日本は「最大600円の価格差ではピークシフトの効果は限定的」としたうえで、「ピークシフト施策を継続的に取り組んでいくため、より柔軟な運賃・料金設定の実現に向けて、さらなる規制緩和を国に働きかけていきたい」と述べている。
枝久保達也